今月に入りフランスとイギリスで2000ギニー&1000ギニーの
「ギニーフェスティバル」が行われ、ようやくヨーロッパでも
クラシックが開幕しました。仕上げの難しいシーズン初頭での
開催、例年思わぬ伏兵馬が台頭する波乱も珍しくないのですが
とりわけ今年は、過去に誰も経験したことがない超変則日程で
トライアルも満足に行えず、フランスは開催地も変更されたり
調教師や厩舎スタッフの苦労も一通りではありませんでした。
さらに競馬を難しくしたのは、仏英ともに直線コースを舞台に
行われ、ここまで4戦で1番人気が勝ったのは仏2000ギニーの
ヴィクタールドルムだけと波乱含みの結果に終わっています。

新潟の千直でもお馴染みの光景になっていますが、直線競馬は
どの馬も馬場の良いところを選んで走りたがるのが当然です。
Vロード確保を目指し各馬が殺到、馬群が一塊りに密集します。
ラスト400mくらいから始まる追い比べは、馬体をぶつけ合う
さながら格闘技のような激しいバトルを繰り広げます。騎手の
技量と勇敢なファイティングスピリットが勝負を左右します。
時節柄ジョッキーはマスク着用で馬を御しているので、表情は
読み取れませんが、マスクの下は恐らく鬼の形相でしょうね。
こうした経験を骨の髄まで染み込ませている海外ジョッキーが
短期免許で来日して勝ちまくる理由が分かる気がして来ます。

印象的だったのは英2000ギニーのオイシン・マーフィー騎手。
騎乗馬カメコは、2歳時にディープインパクトの2000ギニー馬
サクソンウォリアーも勝ったフューチュリティトロフィーでは
G1の勲章に輝きながら、オールウェザーに変更されたためか?
案外な低評価に感じられる4番人気に甘んじていました。
しかしカメコとオイシンは、馬群の真ん中でジックリ脚を溜め
勝負どころからは密集馬群に勇敢に突っ込みバトルを制すると
先に抜け出していた、このレースでは通算10勝目下3連勝中と
大記録を更新中の名門エイダン・オブライエン厩舎が送り出す
ランフランコ・デットーリ騎乗のウィチタ、6連勝中で断然の
大本命ピナトゥボを交わして先頭でゴールに飛び込みました。

快刀乱麻を断つ(複雑にもつれた事態を鮮やかに解決する)の
趣きでした。1分34秒72はレコード、マーフィー騎手にとって
クラシック初制覇とダブルでビッグな嬉しいオマケ付きです。
この勝利で、カメコはダービーオッズ5倍の1番人気に急浮上!
キャメロット以来8年ぶりの二冠馬への視界が開けて来ました。

いずれにしろ直線競馬には、いくつものコーナーを巧みに回る
機動性や操縦性が重視される日本やアメリカにおける競馬とは
別の競馬を見せてもらうような楽しみが凝縮されいます。
狭い日本で、欧州流の直線1600mとか2000mのコース造成は
無理でしょうが、せめて海外馬券を通じて、こうした異文化に
親しむ機会が増えればと思ったギニーフェスティバルでした。