プロレスを発祥元とする言葉に「ベストバウト」があります。
年間を通じ、もっともエキサイティングかつ感動的で、さらに
高度な技術を織り混ぜて表現された試合を賞讃する勲章です。
昨日は今年の安田記念に出走14頭中、G1馬10頭19勝、重賞馬
13頭43勝と、史上空前の超豪華メンバーが集まったことから
過去のゴージャスG1から、14年の天皇賞秋をピックアップして
出走18頭中で唯一の重賞未勝利馬だったスピルバーグが、内に
秘め続けて来たポテンシャルを大噴火させたお話をしました。

同じ安田記念の長い歴史で「ベストバウト」と断言できるのは
94年に牝馬ノースフライトが圧勝した一番でしょうか?
とにかくこの年は、海外からの遠征馬が超一流揃いの豪華版!
スキーパラダイスはフランスの名匠アンドレ・ファーブル師の
管理馬ですが勝負服は吉田照哉さんのもので日仏合作馬です。
G1は未勝利ですが仏1000ギニーに始まりジャックルマロワ賞
ムーランドロンシャン賞、フォレ賞、BCマイルまで、いずれも
2着と恥じるところのない一級の成績を残して来ました。

イギリス調教馬のザイテーンもミドルパークS制覇の実力派!
同じくイギリスのサイエダティは、2歳時に牝馬G1を連勝して
3歳時には1000ギニーとジャックルマロワ賞を勝っています。
ドルフィンストリートはファレ賞と後にモーリスドギース賞を
制し本場仕込みのパワフルなスピードが自慢のスプリンター!
ヨーロッパを代表する、いずれ劣らぬ一流馬ばかりです。

これら遠征馬が揃い踏みした前哨戦G2京王杯スプリングCでは
前出順に外国勢1-2-3-4決着と日本適性を証明していますから
人気を集めるのも当然でした。迎え撃つ日本勢は大将格の快速
サクラバクシンオーが3番人気、マイル5戦5勝と底を見せない
天才ノースフライトがやっと5番人気など劣勢感は否めません。
しかしレースは、ノースフライトが圧倒的なパフォーマンスを
爆発させるワンマンショーに終始しました。
前半は中団を進み、3コーナー過ぎから馬群の外を捲って進出し
直線はさらに大外に構えると追い出しを待つほどの余裕ぶりで
ヨーロッパが誇る一流馬たちを子供扱いする圧勝を飾ります。

彼女が強過ぎて、早めに仕掛けた有力馬はゴール前で総崩れ!
2着には重賞未勝利だった10番人気の超伏兵トーワダーリンが
後方から追い込んで波乱を演出するオマケ付きになりましたが
世界のホースマン達を震え上がらせるパフォーマンスでした。
いつまでも、ファンの脳裏に焼き付く「ベストバウト」であり
安田記念史上最高の「ワンダーホース」が降臨した瞬間です。
さて今年は、果たして史上最強の安田記念馬ノースフライトを
超えるような「ワンダーホース」を生み出せるのでしょうか?
世界を震え上がらせるような「驚異のベストバウト」の再現を
楽しみにゲートインを待ちたいと思います。