ようやくヨーロッパで、クラシックシーズンが開幕しました。
オープニングは、仏1000ギニーと同2000ギニーが務めます。
パリ地区が再び開催中止になったため北仏ドーヴィル競馬場に
移設して行われたのですが、この桧舞台に向けたトライアルは
パリロンシャンのワンターンコース、しかも重馬場で開催され
直線コースのグッドトゥソフト、良馬場に近い稍重まで乾いた
ドーヴィルとでは、随分レースの様相も変わって来そうです。

両レースとも、ジョッキーは馬場の良い外ラチ沿いを選択して
馬群が一塊りに凝縮されゴール前の決め手勝負になりました。
2000ギニーでは、前哨戦で1.4倍の圧倒的人気に推されながら
久々と重馬場もあり3着と不覚を取ったヴィクタールドルムが
最後方から鋭い瞬発力で突き抜け見事に雪辱を遂げています。
1分34秒14は2000ギニーレコード、馬場が乾けば強い馬です。

ジャイアンツコーズウェイ系シャマルダルの貴重な忘れ形見で
同世代の6戦6勝ピナトゥボ、5戦5勝のアースライトとともに、
「シャマルダル三銃士」の一角を形成する期待の星です。
ジャイアンツコーズウェイ系は昨年の米年度代表馬馬に輝いた
ブリックスアンドモルタルという大物が日本に導入されており
ポスト・ディープ&キンカメの大きな期待を背負っています。
日本のファンもチェックしておく必要がありそうな血統です。

今年はコロナウイルス禍で、非常事態の変則日程となっており
来週はイギリス、再来週がアイルランドでギニー両戦が行われ
その翌週にはロイヤルアスコットで世代最強マイラー決定戦の
セントジェームズパレスS、コロネーションSが待っています。
過密で過酷きわまるスケジュールですが、調教師など陣営には
どのレースをどう使うか、知恵と技術の見せどころでしょう。
とくに「シャマルダル三銃士」はピナトゥボがイギリス拠点の
チャーリー・アップルビー、アースとヴィクターがフランスの
アンドレ・ファーブルと厩舎は違えど馬主はロイヤルブルーの
勝負服でお馴染みのゴドルフィンですから、この先々も巧みに
使い分けて、クラシック勝ち星を量産して来るんでしょうね。

さて仏1000ギニーは、前哨戦のG3グロット賞を貫禄勝ちした
名門ファーブル厩舎のトロップボーに、人気が集まりましたが
グロット賞は半馬身2着だったドリームアンドドゥが大逆襲!
馬群を捌くのに苦労しましたが、鞍上マキシム・ギュイヨンが
強引に大外に切り換えゴール前一気の差し切りを決めました。
ギュイヨン騎手は、ここ10年というものは常にベスト3の座を
名手スミヨンやブドーなどと激しく争って来た腕達者ですが、
円熟の境地に達した昨年は遂に悲願の「クラヴァシュドール」
(金の鞭=リーディングジョッキー)の座を射止めています。
ドリームアンドドゥを直後でマークしたトロップボーは最後の
最後で伸び切れず4着に敗れています。当たり前なようですが
コースや馬場状態が違えば、レースの結果も変わってきます。
改めて競馬の難しさを痛感させた欧州クラシック第1弾でした。