「信じられない牝馬だ」と海外メディアが驚きを隠しません。

オークスで神脚を爆発させたデアリングタクトに対する評判は

ヨーロッパを中心に世界のホースマンたちの間に瞬速で広まり

今やシンデレラストーリーのヒロインに抜擢されています。

 

桜花賞勝利時に34倍だった大手ブックメーカーによる凱旋門賞

前売りオッズは、オークスの激勝で15倍に急浮上しています。

大本命エネイブルが5倍、さらなる成長が期待されるジャパンの

13倍に続き、無敗のセントレジャー馬ロジシャンと並ぶ15倍で

3番人気タイという日本馬最高のポジションを贈られています。

ちなみに他の日本馬は、今週のダービーの結果と内容次第では

変動がありそうですが、コントレイルが17倍、サリオス25倍で

今のところはデアリングが一歩リードしている形勢です。

 

当然、オッズは負担重量も考慮され、3歳馬、とくに3歳牝馬の

可能性に注目する傾向が強いのですが、3歳馬たちがそれだけの

実績を残して来たのも事実です。また、全体に日本馬の評価が

高くなっているのは、無観客と言え順調に競馬が行われている

ことが影響しているのでしょう。

このことは逆に言えば、ヨーロッパの競馬開催が軌道に乗れば

どんな怪物級や超新星が飛び出してくるか?ヨーロッパ競馬が

培って来た底力には、予測もできない不気味さが潜みます。

ただし、フランス競馬はいったん再開されたもののパリ地区は

再び中止されるなど状況は流動的です。

 

様々なリスクを考えれば、今年の秋は国内路線専念というのが

無難な選択肢なのでしょう。別の海外メディアはデアリングに

歴史的名牝のジェンティルドンナやアーモンドアイに並び立つ

「牝馬三冠」当確のお墨付きを与えています。今後については

会員さんのご意向を汲みつつ、馬主さんがお決めになれば良い

ことですが、国内路線を前提に考えればそうなるのでしょう。

 

しかし多くのホースマンが、リスクヘッジ(危機回避)よりは

リスクテイク(挑戦)して偉業を成し遂げた歴史もあります。

最近もドバイカーニバルでアーモンドアイとともに先乗りした

クリストフ・ルメール騎手は、結果は不幸にも開催中止により

帰国後の隔離生活2週間を含めて、大きな犠牲を払いましたが

このチャレンジを無謀と笑うことはできないでしょう。

ケンタッキーダービー制覇を生涯の夢とするライアン・ムーア

騎手は、同日開催の2000ギニーにディープインパクト産駒の

サクソンウォリアーで挑戦すると、誰もが信じていました。

が彼は、厩舎セカンドジョッキードナカ・オブライエンに託し

メンデルスゾーン騎乗のためにチャーチルダウンズに飛び立ち

結果は、経験のない道悪馬場で動けず最下位に終わりました。

 

非合理の極みにも思われる夢や情熱に衝き動かされた男たちが

いつも成功するとは限りませんが、夢があったのは確かです。

人生では出来ないことでも、競馬場では挑むことが出来ます。

それにチャレンジしたクリストフやライアンは結果はともあれ

これっぽっちも後悔していないはずです。

ファンが競馬場で見たいのは掛け替えのない夢なのですから。