数多の名牝を送り出したオークスですが、無敗のまま樫女王を
戴冠したのは、つい昨年もラヴズオンリーユーが達成しており
能力の差が歴然としがちな、牝馬同士で同世代の対決であれば
かなり前例が多いのではと調べたら、ここまでに80回を重ねる
歴史でわずか5頭だけでした。

初代の無敗の女王は、戦前最後のオークスを8連勝で制覇した
稀代の名牝クリフジでした。彼女は生涯11戦11勝と不敗のまま
ダービーをレコード、菊花賞を大差勝ちと規格外の馬でした。
第2次大戦による中止を挟んで、戦後初に行われたオークスは
ミツマサが4連勝で。当時はオークスが秋の開催だったために
何と3歳10月中旬デビューと仕上がりの遅れた彼女が連戦連勝
デビューから数えて38日目という最短記録で優勝しています。

現行時期に定着してからは、後に三冠馬シンザンを生むコンビ
武田文吾調教師と栗田勝騎手コンビで57年にミスオンワードが
8連勝で桜花賞とオークスを制し、連闘で臨んだダービーでは
17着に大敗して、無念にも無敗記録が途絶えてしまいました。
それから49年を経て、3歳2月デビューのカワカミプリンセスが
84日目にオークス挑戦!後に牝馬三冠馬アーモンドアイの母と
なるフサイチパンドラと叩き合って、無敗女王に君臨します。

さて今年は、デアリングタクト、アプレイズ、デゼルの3頭が
難関に挑みます。デアリングはご存じ桜花賞を含めて3戦3勝!
キャリア4戦目は、ミツマサ、カワカミプリンセスと同じです。
アプレイズ、デゼルはやっと3戦目です。もしも勝つようなら
史上最少キャリアでの女王戴冠の記録を打ち立てる快挙です。

デゼルのデビュー70日目の戴冠は、ミツマサには及びませんが
春に移行してからは最短!天才少女ぶりが伝わる快記録です。
また、母アヴニールセルタンは無敗のまま仏オークスの女王に
輝いており母娘で日仏オークス無敗制覇の勲章も手にします。
競走馬として、繁殖牝馬として、ここまで優秀な実績を残した
セルタンですが昨年惜しくも急逝、ここは弔い合戦の大一番!

デアリング、デゼルのスケールが雄大な競馬っぷりに比べると
少なからず見劣りする印象もあるアプレイズですが父キズナも
初年度から5頭の重賞勝馬を出したように勢いは劣りません。
それぞれ個性的な無敗馬たちの個性なりの戦いが楽しみです。
果たして史上6頭目になる無敗のオークス馬が誕生するのか?
胸躍るゲートインの瞬間を、息を詰めて待ち構えています。