臥龍鳳雛(がりょうほうすう)という言葉があります。
まだ世に出ていない隠れた才能に、伏せている龍をイメージし
前途有望な若者を、成長すれば大空を自在に翔ける鳳凰の雛に
例えた中国に伝わる故事です。
三国志には二人の天才軍略家・臥龍=諸葛孔明、鳳雛=龐統が
登場し、壮大なストーリーを盛り上げています。

JRAでは3歳ダート路線に、中京の昇竜S、中山の伏竜S、先週
東京の青竜S、今週京都の鳳雛Sがこの故事に因んだレース名を
冠しています。レース名ネーミングの最高傑作だと思います。
鳳雛Sは今年で7回目と歴史の浅いレースですが、中身の濃さは
なかなかで第1回の勝ち馬カゼノコと第3回のキョウエイギアが
次走のジャパンダートダービーで世代の頂点を極めています。
その他の勝ち馬からも、夏のG3レパードSで重賞制覇を遂げた
ロードプリンスダム、昨年のマドラスチェックは関東オークス
2着から、TCK女王盃戴冠など屈指の出世レースで知られます。

今年の3歳ダート戦線は、超大物新種牡馬アメリカンファラオの
世界スケールの代表産駒か?と脚光を浴びるカフェファラオが
抜けて強い印象です。三冠馬アメリカンファラオの育ての親で
ケンタッキーダービーの有力候補を片手に余るほど抱える名匠
ボブ・バファート師も認めるパフォーマンスを秘めています。
新馬戦で10馬身ちぎったバーナードループが、その後は無敵の
3連勝で、交流Jpn2兵庫チャンピオンシップを勝っているのも
カフェの潜在能力の奥の知れなさを証明した形になりました。

バーナードは、ロードカナロアが出した最初のダートの大物!
カナロアには、父キングカメハメハ直伝の芝砂二刀流の奥義を
継承する期待が大きく、そろそろ爆発しないものでしょうか?
大型馬でストライドも雄大ですから、小回り園田よりも大箱の
大井や東京で能力を倍増しそう。東京コースのG3ユニコーンS
大井2000mのJpn1ジャパンダートダービーでカフェファラオに
一矢を報いることができるでしょうか?
昨日ご紹介したデュードヴァンの勝負強さも超一級品ですね。
なかでも東京1600mは3戦3勝の鬼ですから、ユニコーンSでは
ライバル以上の評価が必要な馬かもしれません。
現時点では、この三騎がダート界トップグループでしょうか?

さて、今年の鳳雛Sですが、やや小粒な印象が否めません。
前出の兵庫チャンピオンシップでは2着だったダノンファラオ、
同3着サンデーミラージュ、「ロード・トゥ・ザ・ケンタッキー
ダービー」最終戦の伏竜Sで、これも2着のテーオーケインズ、
同3着ミヤジコクオウなどなど、フレッシュさに欠けるかも?
未知の魅力は2戦2勝のヴォートルエロー。半兄アンタエウスは
地方で早い時期に重賞を2勝していますが、ヨハネスブルクの
血で成長力一息でした。父が成長力自慢スクリーンヒーローに
代わり、どんな伸び代を秘めているのか?楽しみはあります。

大物の風格を匂い漂わせるカフェファラオ、バーナードループ
デュードヴァンの三騎が覇を競う「ダート三国志」に果たして
新たな「臥龍鳳雛」が堂々名乗りを上げることができるのか?
そんな意味で、大いに注目してみたい今年の鳳雛Sです。