今週のヴィクトリアマイルでアーモンドアイが、7つ目のG1の
勲章にチャレンジ!「七冠馬」の栄光に王手をかけています。
昨日も「七冠馬」話をお届けしたのですが、その続きというか
うっかり書き漏らしたエピソードの追加をさせてもらいます。

もともと「○冠馬」という概念は、価値が特別に高いとされる
皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークスのクラシックに
古馬レースの最高峰に君臨する天皇賞、ジャパンC、有馬記念、
後に追加された宝塚記念、エリザベス女王杯の「十大競走」が
対象とされました。天皇賞は一度勝った馬は再び出走できない
「勝ち抜き制」が存在し、春秋一括りにカウントされました。
牡馬は最高で「七冠」しかありません。厳しいハードルです。
グレード制度導入以前の価値概念ですが、こうして日本競馬の
価値体系が構築され、それらが競馬発展の原動力の一つとして
少なからぬ貢献を果たして来たのは間違いがないでしょう。

「○冠馬」の事始めは、三冠と天皇賞、宝塚記念、有馬記念の
不世出の名馬シンザンに捧げられた「六冠馬」の称号でした。
まだジャパンC創設前の時代、「六冠」は究極の高みです。
その後、日本ホースマンは「シンザンを超えろ!」を合言葉に
切磋琢磨を重ねて来たのはご存じの通りです。
具体的には「七冠馬」を生み出すことが悲願となりました。

この古来の評価基準による「純・七冠馬」の誕生はシンザンの
「六冠制覇」から数えて20年、さらにそこから21年、合わせて
40年以上にも及ぶ風雪を経て、遂に不世出の名馬を超えたのは
皇帝シンボリルドルフと帝王ディープインパクトの2頭でした。
その価値の高さは、誰もが認めざるを得ません。別格です。

ジェンティルドンナは牝馬三冠とジャパンC連覇、有馬記念に
海外のドバイシーマクラシックを加えた「準・七冠馬」です。
その意味では、アーモンドもドバイターフの冠がありますから
ジェンティル同様のポジショニングを占めることになります。
クラシックは皐月賞のみながら、天皇賞春秋3勝など古馬G1を
制して「七冠馬」に輝いた賞金王テイエムオペラオーと同様に
女傑ウオッカがダービー、安田記念2回、ヴィクトリアマイル
天皇賞秋、ジャパンC、阪神ジュベナイルフィリーズの七冠を
制覇しています。これらも「準・七冠馬」のカテゴリーかも?

グレード制度の定着により、G1価値の平準化が進むことになり
「八大競走」「十大競走」など古来の特別な価値概念が失われ
今や賞金額の多寡だけに、その面影を残す程度に至りました。
しかし、いずれにしろ日本競馬の長い歴史の中で「七冠馬」は
10年、20年サイクルで1頭か2頭出るか出ないか、特別な存在で
あるのは疑えません。その誕生の希少な瞬間を目撃できるのは
競馬ファンにとって至福の瞬間なのだろうと感謝したいです。