G1勝利数を積み重ねると、俗に「七冠馬」とか「六冠馬」など
その価値に対する美しくも誇らしい尊称が贈られます。
日本には地方の東京大賞典を含めると、計25レースが国際G1に
指定されていますが、しかし単純にG1レースを7つ勝利すれば
晴れて「七冠馬」の玉座に奉られるかと言うと、実際のところ
そんなに単純な仕組みではなさそうです。

厳密には、伝統の五大クラシック(皐月賞、ダービー、菊花賞
桜花賞、オークス)に加え、その他の八大競走(勝ち抜け制の
名残りで天皇賞は春秋一括り、ジャパンC、有馬記念)だけが
対象レースとしてカウントされて来ました。後に春の宝塚記念
秋のエリザベス女王杯が追加されて十大競走と呼ばれる時代も
ありました。レースの価値を広く知らしめ、浸透させることで
競馬の価値を高めるため先達が生み出した知恵の結晶でした。

これら古式の評価基準に基づくと、これまで日本競馬史上では
シンボリルドルフとディープインパクトと、たった2頭だけが
「七冠馬」の美称を戴冠しています。
ともに無敗でクラシック三冠を制覇し、ルドルフは有馬記念、
天皇賞春、ジャパンC、有馬記念の順に七冠達成!ディープは
天皇賞春、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念の七冠馬でした。

「幻の七冠馬」の存在も見逃せません。テイエムオペラオーは
クラシックは皐月賞のみでしたが、古馬になって驚異の覚醒!
天皇賞春秋3回、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念と7タイトル
「天皇賞一括りルール」の埒外では立派な「七冠馬」でした。
さらにジェンティルドンナも「番外・七冠」を記録しました。
牝馬三冠、ジャパンC2勝、有馬記念と、JRAでは六冠馬ですが
海外G1のドバイシーマクラシックを加えれば堂々の七冠です。
これまで海外G1の扱いは、参考記録という感じだったのですが
ここまで国際化が進んだ時代にあっては、例えばロンジン社の
ワールドベストG1にランキングされたレースを、スーパーG1に
認定し、冠対象として特別の価値を認めても良いと思います。

これを追うのが、現在、牝馬三冠、ジャパンC、ドバイターフ
天皇賞秋と「準・六冠」まで辿り着いているアーモンドアイ!
今週のヴィクトリアマイルでは、「準・七冠」に挑戦します。
ヴィクトリアマイルを冠と認定するかは複雑微妙な問題ですが
今後、彼女がどこまで冠の山を築き上げるのか?
今シーズンの大きな楽しみの一つになりそうです。