毎日、憂鬱な話ばかりが続くようで恐縮です。
コロナウイルス拡大防止の一環として、イギリスでは残念にも
国民的人気を誇る伝統の障害レース「グランドナショナル」の
中止が発表されました。無観客競馬ではなく、開催中止です。
フランスでも向こう1ヶ月ほどの番組が白紙に戻されています。
アメリカのキーンランド競馬場も4月開催の中止を決めました。

良く知られているように、競馬発祥の母国・イギリスでは障害
競走が人気コンテンツとなっており、その頂点に君臨するのが
今年173回目を迎えるはずだった「グランドナショナル」です。
ご存じのようにグランドナショナルのフルゲートは実に40頭!
障害戦のほとんどが多頭数な上にハンデ戦、馬券が人気通りに
収まることは、滅多にありません。こうした「波乱の予感」や
「難解な推理」も人気の秘密の一つなのでしょうか?

日本では想像もできませんが、ブックメーカーの統計によれば
馬券売上のベスト20位中の平地レースは7位のダービーだけで
残る19レースは、障害戦がすべてを独占しているそうです。
群を抜く不動の首位は、無論「グランドナショナル」ですね。
日本の有馬記念に抜かれるまでは、馬券売上世界一を誇り続け
昨年も7万人以上がエイントリー競馬場に馳せ参じたそうです。
7万人以上となると、ケンタッキーダービーと肩を並べる数で
来日した短期免許ジョッキーが、観客数が多いと驚く日本でも
ダービーか有馬記念くらいなものでしょうね。

人気沸騰が逆に中止の遠因となったとすると皮肉なものです。
今年は長い歴史の中でも初偉業3連覇に挑むタイガーロールが
スタンバイしていただけにファンの落胆ぶりもなおさらです。
タイガーロールは「馬体が小柄な以外は、すべてが偉大!」と
讃えられる国民的英雄として尊敬と愛情とを集めていました。
彼が走ることは、もうないだろうと思います。
約6900mという超絶長距離を走る間に、30個もの難攻不落の
ハードルを飛越しなければならない「グランドナショナル」の
絶対王者による「幻の3連覇」は長く記憶されることでしょう。