JRAは新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、今週から

当分の間「無観客競馬」とし、ウインズなどでの馬券の発売や

払戻も中止すると発表しました。バンエイも含めた地方競馬も

同様の措置を実施し、馬券はネットを通じてのみ流通します。

ネット馬券が主流になっている現状は、不幸中の幸いでした。

 

コロナウイルスに端を発する無観客競馬」は先だって香港でも

実施されていますが「レースを続行することが極めて重要」と

主催者の香港ジャッキークラブは明言しています。

ホースマンは、右手にジェネラルスタッドブック(血統書)を

左手にレーシングカレンダーを掲げ、競馬の普遍性と継続性を

守り、発展させ続けて来ました。たとえ「無観客」であろうと

レースを続けることは、競馬にとって命綱と言えるでしょう。

 

日本で「無観客競馬」が行われたのは、戦前の1944年に戦況の

緊迫化に伴い競馬開催そのものが禁止され、クラシックなどの

重要レースに限り、レースとサラブレッドの継続性を守るため

馬券非発売・無観客の「能力検定競走」として行われました。

このダービーと菊花賞を快走したのはカイソウという馬ですが

菊花賞は京都外回りから内回りに変更されたのが災いしたのか

全馬がコースを間違えてレース不成立の珍事態を生みました。

この幻の二冠馬カイソウのその後は、謎に包まれたままですが

一説には、乗馬用の軍馬として将校に引き取られ不幸なことに

名古屋大空襲の戦火の中に消息を絶ったと伝えられています。

 

「無観客競馬」が、非常時中の非常時である戦時中に一度だけ

行われたという事実は、事態の重大さを物語るものでしょう。

コロナウイルス禍は戦争にも匹敵する「非常時」のようです。

競馬はもちろん、あらゆるスポーツが平和とともに存続できる

ことを改めて思い起こさせてくれます。世界各国を巻き込んだ

コロナウイルス禍の一日も早い終熄を祈るばかりです。