先週土曜、避寒地フロリダのガルフストリームパーク競馬場で
行われたペガサスワールドCシリーズは、賞金世界一から年々
スケールダウンして、今年はダートの1着賞金が180万ドル≒1億
9800万円、芝は60万ドル≒6600万円へ引き下げられました。
それでも、まだ十分に手厚い賞金なのですが、1ヶ月後の2月に
1着1000万ドル≒11億円!と目の玉の飛び出るような破格賞金を
大盤振る舞いのサウジCが、さらに翌3月には同720万ドル≒7億
9200万円のドバイワールドCも控えています。
有力馬の関心が、そちらに向かうのも仕方がないのでしょう。

それでも北米では、今年最初のG1レースでもあって、全米から
腕自慢が集結、アイルランドからは世界のライアン・ムーアも
駆け付けて、ジョッキー陣は豪華絢爛な顔ぶれが揃いました。
その面で、腕比べの醍醐味を堪能できたのは芝の一番でした。

2年連続で不動の北米リーディングジョッキーに君臨している
イラッド・オルティスJr.のインスティルドリガードが、抜群の
好スタートを切りますがイラッドは大外発走マジックワンドの
ライアンに先を譲るような仕草、それならとライアンがハナに
立って馬群を引っ張ります。イラッドは2馬身ほど後方に下げ
ロスなく好位の内々をライアンマークでピッタリ追走。さらに
2馬身差に同じような位置取りでズールーアルファの新進気鋭
タイラー・ガファリオンが虎視淡々と間合いを測っています。
彼は世界一層の厚いハイレベルな北米リーディングで昨年遂に
ベストテン入りした近い将来のイラッドのライバル候補です。

レースが動いたのは4コーナー。イラッドが外へ持ち出し追撃
体勢に入ろうとした刹那、イラッドが占めていたインコースへ
タイラーが瞬間移動!天才の成せる技としか言えぬ絶技です。
ライアンの鞭に応えて粘る実力馬マジックワンドを、内外から
イラッドとでサンドイッチするように、壮烈な叩き合いを演じ
ゴール前は内にこだわってノーロスだったズールーアルファの
脚が残りました。タイラー・ガファリオン恐るべし!

北米はヨーロッパのようなシーズンオフがないため短期免許で
来日することも稀ですがイラッドやタイラーには日本ファンに
腕の確かさをぜひ見せてほしいものです。
勝ったズールーアルファは、女王陛下の愛馬達も管理している
アイルランドの超名門ダーモット・ウェルド厩舎を皮切りに、
欧米で5つの厩舎を渡り歩いて来た苦労人。もちろんG1勝利は
初めてです。こういう馬は応援したくなりますね。