今週日曜に京都2000mを舞台に争われるLR若駒Sは勝ち馬が
皐月賞3勝、ダービー3勝と並の重賞を遥かに凌ぐ実績を残し、
クラシックヒーロー降臨の大一番として風格を誇っています。
勝ち馬の多くは、実はディープインパクトがそうだったように
レースが終わるまでは、素質は評価されていても1勝馬の身で
ヒーローと言うには、まだ不可視の部分も少なくありません。
サラブレッドが、生まれた瞬間に宿命づけられるクラシックの
頂点を極めるための成長力争い、若駒Sにその原点があります。

もともとは85年にジュニアSとして創設され、89年に若駒Sと
改称されたのが始まりで、30回の歴史を積み重ねて来ました。
改称間もない90年、ハイセイコー産駒のハクタイセイが若駒S
快勝の余勢を駆って皐月賞を射止めます。父とは違って華奢な
ボディに芦毛がスタイリッシュな馬で「白いハイセイコー」と
親しみを込めて呼ばれファンに愛された人気者でした。
若駒Sの鞍上はデビューからコンビを組んだ須貝尚介現調教師。
失礼ながら恰幅の良い最近の風貌からは想像しにくいのですが
当時まだ弱冠23歳の初々しい若武者で、次走・きさらぎ賞では
ハクタイセイと人馬ともに思い出深い重賞初勝利を飾ります。

翌年、トウカイテイオーが無敗のまま皐月賞、ダービーの二冠
制覇、父シンボリルドルフとの父子三冠馬を期待されました。
しかし故障で菊花賞は出られず、その後も度々の故障と休養の
繰り返しに泣き、ようやく5歳になって、1年の長期休養明けの
有馬記念を差し切る大逆転ドラマを演じて、奇跡の復活を遂げ
真のヒーローの降臨に日本中のファンが熱狂したものでした。

そして05年の若駒Sで遂にディープインパクトが降臨します。
彼についは多くを語る必要もないでしょうが、彼自身が伝説と
なる華麗な走りを見せ、ブラックタイドとの兄弟制覇、そして
産駒マカヒキとの父子制覇など深い繋がりを思うと、今年から
弥生賞に「ディープインパクト記念」の美称が冠せられますが
本当は若駒Sで良かったのでは?そんな気分も強く残りますね。
それはさておき、ディープインパクト以後もアンライバルドが
皐月賞を、マカヒキがこれも父子制覇となるダービーを勝利し
若駒Sは、クラシックロードに確かな存在感を浸透させました。
今年はどんなヒーローが降臨して来るのか?楽しみ一杯です。