昨夏、初年度産駒をターフに送り込み始めたエピファネイアが
順調なスタートを切っています。新種牡馬チャンピオンの座は
キズナに譲りましたが、勝ち上がり頭数では30頭とライバルの
27頭を凌駕しています。これがどれくらいの大変さかを言えば
18年チャンピオンに輝いたジャスタウェイ13頭を遥かに上回り
今や「ポスト・ディープインパクト」の先頭に君臨する17年の
新種牡馬チャンピオンのロードカナロア30頭に並ぶ記録です。
サイアーとしての非凡なポテンシャルを天下に誇り高く示した
この快進撃に種付け料も昨年の250万円から500万円へ倍増!
次代を背負う新潮流として、確かな一歩を踏み出しています。

エピファネイア産駒の新潮流たる由縁、その比類のない特徴は
サンデーサイレンスの血の甦り、その奇跡の召喚にあります。
30年以上に渡って日本競馬界を築き支え続けている名血です。
ご承知のようにエピファネイアは、父のシンボリクリスエスに
母シーザリオを配合され、その父であるスペシャルウィークを
通じてサンデーサイレンス血を受け継いでいます。
従ってサンデーの血を内包する牝馬との配合では、この名血を
現代に蘇らせる偉大な名血クロスが発生することになります。

2歳時に勝ち上がった30頭のうち、優に20頭を越す産駒たちが
サンデーサイレンス4X3を中心に、何らかのサンデークロスを
抱えています。これまでサンデー3X3など、キツめの配合馬が
それなりの実績を残して来ましたが、冒険的すぎるためなのか
余り一般的と言えませんでした。しかし時の流れがこの課題を
解消、偉大なるサンデーサイレンスを召喚しようとする壮大な
試みが始りました。栄光のトップランナーがエピファネイアで
今後はモーリスなどがこの路線をさらに豊かに成熟させます。

競走馬生産はアウトブリードとインブリードを繰り返しながら
進化して来た歴史があります。近年ではクールモアが徹底的に
ノーザンダンサーの血の甦りにこだわり抜き、遂にガリレオに
辿り着き、さらにデインヒル系やストームキャット系の牝馬を
通じてノーザンダンサーの血を重ね、誰も追い付けないほどの
高みを極めています。少し前には、アガ・カーン一族が紡いだ
ナスルーラ系の近親交配が歴史的名馬の数々を輩出しました。
こうした流れがサンデーサイレンスに来ているのでしょうか?

エピファネイアは、稀に見る大成功と言って良いのでしょうが
懸念は今のところ30頭が勝ち上がっても、2勝馬はたった1頭、
ロールオブサンダーだけという現状かもしれません。もともと
エピファネイア自身が3歳秋に菊花賞で才能開花させ、4歳時の
ジャパンCで完成に到達したように晩成傾向が顕著でしたから
これから一段、二段と逞しく成長していくのでしょうが。

今週のG3京成杯には、そのロールオブサンダーと良血の誉高い
スカイグルーヴ、ともにサンデークロスの持ち主が揃い踏み!
エピファネイアにとって真価を問われる一番になりそうです。
5代内にサンデーの血を一滴たりも持たないロードカナロアや
ルーラーシップのような非サンデー系列に属する種牡馬たちと
エピファネイアが生み出したサンデー召喚血脈サイアーの間に
「ポスト・ディープインパクト&キングカメハメハ」を巡って
熱い戦いが火蓋を切って落としそうな2020年です。