ランフランコ・デットーリ騎手の来日がずれ込んでいますが、
一つには一昨夜ロンドンの五つ星ホテル「ドーチェスター」で
行われたカルティエ賞の授賞式が影響したのかもしれません。
ヨーロッパのホースマンにとって、この1年を締めくくる大事な
セレモニーであり、とくに今年のランフランコにとってみれば
ジョン・ゴスデン調教師との深い信頼の絆に結ばれたタッグで
年度代表馬と最優秀古馬をエネイブルで、最優秀3歳馬部門は
牡馬のトゥーダーンホット、牝馬スターキャッチャーで独占!
最優秀ステイヤーにはストラディヴァリウスが2年連続で輝き
世の賞賛を浴びる晴れ舞台には欠かせないヒーローです。

ヒロインのエネイブルは一昨年に続く2度目の年度代表馬です。
30年近い歴史を刻むカルティエ賞ダブル受賞は英愛ダービー馬
オーストラリアの母としても知られる超名牝ウィジャボードと
怪物フランケルに続く快挙です。凱旋門賞の痛恨の2着敗退は
画龍点睛を欠くイメージがなくもありませんが、折からの道悪
にも関わらず超ハイペースの前半が、一転もがき苦しむような
消耗戦と化した直線の死力の限りを振り絞る壮絶無比な攻防は
時間が経てば経つほど「負けて強し」を思わせるものでした。

今年4戦3勝、他はほぼ完璧で、凱旋門賞馬ヴァルトガイストを
置いてけぼりにして強豪クリスタルオーシャンと死闘を演じた
大一番キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは並ばれても
並ばれても決して抜かせない勝負魂を全開させたエネイブルの
真骨頂!今年のベストと言えるハイレベルだったと思います。
彼女は、来季も現役を続ますから、まだ誰も達したことがない
凱旋門賞3勝の高みを極めてくれるのを、楽しみにしています。

今年のランフランコは絶好調で、ここまでエネイブルを含めて
G1では実に19勝を積み上げています。ヨーロッパ記録は17年に
ライアン・ムーアが樹立した22勝で、その背中がちょっと遠く
感じられる時期ですがラストチャンスは日本と香港での騎乗。
ジャパンCではステイヤーの才能を秘めるルックトゥワイスに
翌週のチャンピオンズCは、G1上位常連ながら左回り未勝利の
オメガパフュームへの騎乗が予定されています。両馬ともども
有力馬と名指しするには、何か少し足りない気もするのですが
名手ランフランコに見せ場以上を期待したくなる気持ちです。
ちなみにライアンの22勝目の記念碑は中京チャンピオンズCの
ゴールドドリームで立てています。ライバルの鼻を明かすか?
いずれにしても、今秋の短期免許ジョッキーたちは豪華絢爛!
ライブで見られる日本ファンは、世界一の幸せ者でしょうね。