近年の凱旋門賞で際立ったトレンドは、名牝アーバンシーの
血が何らかの形で流れている馬が圧倒的に好走していること
です。始まりはエイダン・オブライエン調教師の管理馬がワン
ツースリーを決めた一昨年、ファウンド、ハイランドリール、
オーダーオブセントジョージの3頭はすべてアーバンシーの最
高傑作ガリレオ産駒でした。

その翌年もアーバンシー旋風が吹き荒れます。圧勝したエネ
イブルはガリレオの息子ナサニエル産駒、2着クロスオブスタ
ーズはガリレオの半弟シーザスターズ産駒、3着ユリシーズと
4着オーダーオブセントジョージはガリレオ直仔と、前年を上
回る上位4頭がアーバンシーの血を引いていました。

さらに昨年のパリロンシャン劇場は、アーバンシーのワンマン
ショーになりました。19頭立ての上位10頭中9頭までがア
ーバンシーがらみ。内訳は、ガリレオ直仔が4頭、父父ガリレ
オが2頭、母父ガリレオが1頭、シーザスターズ直仔2頭で
す。非アーバンシー系はディープインパクト産駒スタディオブ
マンの9着が最高でした。驚くしかありません。中でもガリレ
オはサイアー(種牡馬)として、ブルードメアサイアー(母の父)
として、サイアーオブサイアーズ(種牡馬の父)として獅子奮迅
の働きを見せ、今や円熟の境地にあると言えそうです。

アーバンシーの血は今のところ、①ガリレオ経由、②シーザス
ターズ経由、③母父ガリレオ経由、④アーバンシー牝系の4
ルートに大別されます。直接の子孫はシーザスターズが凱旋
門賞を勝っています。今年は孫世代にあたるサードラゴネット
が登録していましたが、1番人気で5着に敗れた英ダービー
後、伸び悩み気味でロンシャンに姿を見せることはありません。
しかし着実に牝系の枝葉を伸ばしており、凱旋門当日の第1
レース2歳牝馬G1マルセルブサック賞には、やはり孫世代
のゴッデスがスタンバイしています。いずれ凱旋門賞の桧舞
台にもアーバンシー牝系の馬が登場することでしょう。

さて今年、4年続けてアーバンシー劇場の再演となるのか?
結論から先に言えば、その確率は相当に高そうです。12頭中、
エネイブル、ジャパン、ソットサス、ガイヤース、マジカル、
ヴァルトガイストと上位人気馬6頭が、何らかのルートからア
ーバンシーの血を受け継いでおり、7番人気にやっと非アー
バンシー系の日本馬フィエールマンが顔を出して来ます。
凱旋門賞は人気薄の一発屋が飛び込んでくるケースもしばし
ば起きる一番ですから予断は許しませんが、順当なら、アー
バンシー族の掲示板独占も夢ではないようです。