先ごろ、我が国サラブレッド生産界の総本山・社台スタリオン
ステーション繋養種牡馬の今年度種付頭数が発表されました。
ディープインパクトはわずか24頭、大多数はクールモアなどの
預託海外牝馬で日本のターフに果たして何頭が姿を現すのか?
大王キングカメハメハと芦毛王クロフネに至っては0頭でした。
悲しい事実が、人知を超えた時代の移り変わりを物語ります。

ショッキングだったのは、三冠オルフェーヴルの52頭と予想を
上回る激減ぶり。G1を勝つかと思えば、勝ち上がりに苦労する
ムラな実績が生産者に敬遠されたのでしょうか?それにしても
初年度が244頭でしたから実に5分の1近くに激減しています。
ところが世の中、良くしたもので「家貧しくして孝子顕わる」
と中国の故事にあります。案に相違して逆境に陥ると、自然と
それに鍛えられた孝行息子や頑張り娘が出現して、窮地を救い
家を再興する大逆転ストーリーです。今年のオルフェーヴルの
2歳世代は、従来の世代とはかなり異質な感じが漂っています。

その種牡馬オルフェーヴルにとっての新境地は、既存の常識に
反逆するような、意外な発想にあったような気がしています。
先日の中山OP芙蓉Sでデビュー2連勝を飾ったオーソリティや
久々の新潟2歳Sこそ太目残りで敗れましたが大物感を振りまく
モーベットは、サンデーサイレンス3X4の配合の持ち主です。
ヤンチャな性格のオルフェに気性の激しさで有名なサンデーを
クロスさせるのは、常識的には二の足を踏みそうなものですが
そこは逆転の発想で「毒をもって毒を制す!」流の思い切った
勝負配合に賭けたのでしょう。オルフェ自慢の高い心肺能力に
サンデー直伝の瞬発力を加えたら、と夢は膨らむばかりです。

先週までオルフェ2歳世代はJRAで6頭が勝ち上がっていますが
その半分の3頭がサンデー3X4のクロス持ちで、今のところは
この野心的な冒険配合は、成功を収めていると言えそうです。
サンデーサイレンスが亡くなって17年、日本の生産界にとって
非サンデー系種牡馬を探し求めるばかりではなく、サンデーに
サンデーの血を配合する知見と技術が、広く求められる時代が
ようやくやって来たのかもしれません。