トーセンファントムのブレイブスマッシュとハレルヤボーイが
オーストラリアのシンジケート組織に購買され海を渡ることに
なったようです。トーセンファントムと聞いて鮮烈な思い出は
新馬を勝った直後のレッドバリオスも出たG3東スポ杯2歳S!
デビュー2連勝の鞍上を務めた内田博幸騎手がバリオスに乗り
ファントムには来日中のスミヨンが代打騎乗したレースです。

 

バリオスは残念にも、キャリアの浅さに涙を飲まされましたが
ファントムは33秒4の強烈な末脚でローズキングダムを頭まで
追い詰め、非凡な素質を天下に宣言、ダービー候補へ名乗りを
上げましたが、次走の朝日杯で競走能力喪失の骨折に見舞われ
闘病生活を経て、アロースタッドで種牡馬生活に入りました。
宿敵ローズキングダムがダービー、菊花賞でともに2着に惜敗し
女帝ブエナビスタ、皐月賞馬ヴィクトワールピサ、天皇賞春馬
ジャガーメイル、無冠の帝王ペルーサが掲示板に居並んだ激戦
史上最高レベルのジャパンCを堂々制したことを思い返すなら
無事ならファントムもG1の勲章と無縁ではなかったはずです。

 

種牡馬といってもお相手はオーナーであるエスティファームの
牝馬ばかり、どこまでやれるか?冷ややかな目との戦いの中で
産駒からG3サウジアラビアロイヤルCでブレイブスマッシュが
見事に重賞初制覇、ハレルヤボーイは5着に大健闘しています。
この両馬を購買したオーストラリアン・ブラッドストック社は
遠征中だったトーセンスターダムを移籍させた馬主組織です。
今をときめくディープの血を引くトーセンスターダムに対して
ファントムはちょっと地味ですがネオユニヴァース産駒です。
よほどサンデーサイレンスの血が気に入っているのでしょう。

 

ディープは南半球へは、既に初年度産駒のリアルインパクトを
シャトル種牡馬で送り込んでおり日本では80万円の種付け料が
倍以上の166万円にもかかわらず、134頭と多数の牝馬を集めて
ちょっとビックリさせられるなかなかの人気を誇っています。
ご承知のようにオーストラリアはデインヒルの血で溢れかえり
逆に日本はサンデーサイレンスの一族が支配を強めています。
ちなみに今年日本で供用される種牡馬261頭の父系別の内訳は
サンデーサイレンス直仔が27頭を数え、これを経由した3世は
60頭を越し、合わせて全体のちょうど3分の1にも達する勢い。
母系のサンデーを含めると軽く半数を越してしまうでしょう。

 

モーリスのように自身3代目、相手の2代目にサンデーがいると
産駒にはサンデーサイレンス4X3と低リスクのクロスを伝える
使い勝手の良いタイプも現れていますが、これはまだ少数派。
いわゆる“非サンデー系の存在”は、まだ欠かせない重みがあり
広い世界に、血の交流を求めていく冒険心も必要でしょうね。
海を渡るトーセンファントム産駒がそのキッカケとなるような
活躍を見せてくれるよう、日本の空から祈りたいと思います。