どっちが強い?

ここ数日というもの、イギリスでは競馬好きが二人集まれば、“伝説の怪物”フランケルと“新怪物”バーイード、彼らが競走馬として完成形に近づいた4歳時において「一体どっちが強いんだ?」という話に花が咲いているそうです。フランケルは2歳時4戦4勝、3歳時5戦5勝と無傷の連勝街道を走り抜け、4歳時はニューベリーのロッキンジS、ロイヤルアスコットのクイーンアンS、グロリアスグッドウッドのサセックスSを、それぞれ5馬身、11馬身、6馬身と無双しています。
一方のバーイードは、デビュー勝ち後に1年間の休養を挟んだ3歳時は、眠れるポテンシャルの目覚めを待つように徐々に使われて力をつけ、それでも無敗のまま、秋にはムーランドロンシャン賞、エリザベス2世SとG1を連勝して一流馬に昇り詰めています。

2歳時から飛び抜けた素質を煌めかせて“天才馬”と謳われたフランケルに比べれば、いささか地味に映るバーイードのサラブレッド人生ですが、4歳シーズンが始まると彼は伝説と栄光に彩られたフランケルをはっきり意識しはじめ、後を追うようにニューベリーからロイヤルアスコットに、さらにグロリアスグッドウッドへと、大先達とそっくり同じ道を歩み出します。もちろんここまで9戦9勝、かすり傷ひとつ負わないまま14戦14勝の“元祖怪物”を追い続けています。

オーナーブリーダーとして“新怪物”を世に送り出したハムダン殿下は昨年惜しまれて亡くなりましたが、エリザベス女王の主戦伯楽をも勤めるウィリアム・ハガス調教師の想いは一貫しています。偉大なフランケルと同じ道を走り続ける殿下から受け継いだ志を貫き通すことです。次走は8月中旬のヨーク開催の華・インターナショナルSでフランケルと同様にマイル路線から10ハロン路線へと舵を切り、二階級制覇を果たすことですね。奇しくもインターナショナルSは、フランケルのオーナーでありハムダン殿下のシャドウェルの好敵手でもある名門ジュドモントファームの総帥カリド・アブドゥッラー殿下がスポンサードを引き受けるほどお気に入りレースです。同じ中東出身の名ホースマンとして特別な思いがあったでしょうね。それだけに、このレースはバーイードやハムダン殿下にとって避けては通れない道であり、その気持ちはハガス師も同じでしょう。

インターナショナルSの後はまだ流動的なようですが、ハッキリしているのは「凱旋門賞には見向きもせず」フランケルロード一本で歩むことです。最有力なのはフランケルがラストランの舞台に選んだ10月中旬の英チャンピオンSでしょうか?フランケルの全弟で今は日本で種牡馬としてスタッドインしているノーブルミッションも兄弟制覇しており、ジュドモントにとっては最重要の一番でもあります。しかしバーイードはここまで無傷で突き抜けても12戦12勝、フランケルの生涯14戦14勝には及びません。しかしファンの気持ちは何勝したかではなく、一戦一戦でどんな競馬を見せてくれたか、その興奮の大きさや感動の質なのでしょうね。たぶん、希代のホースマンであったハムダン・アブドゥッラー両殿下の気持ちも同じでしょうし、名伯楽ハガス師が志しているのも、そこだろうと思います。実り豊かな秋を期待して良さそうですね。
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