サイドストーリー
『デヴィル一族がめざす真っ赤な薔薇が敷き詰められた道』
父ロージズインメイは、
ドバイワールドCに勝った一流馬で
これまでに3世代がデビューを果たしているが、
現在までのところ先日の弥生賞を
コスモオオゾラが勝つまで重賞勝ち馬は出ていなかった。
マイネショコラーデが函館2歳Sを2着、
マイネソルシエールがフローラSを2着しているのが最高で、
後はコスモラピュタが菊花賞5着、阪神大賞典4着と
長距離の逃げ馬として成長しているのが目立つ程度だ。
誉められる実績とは言い難い。
タイキシャトルを出したデヴィルズバッグ系の種牡馬で、
デヴィルズバッグからヘイローへと遡る血統は
偉大なサンデーサイレンスと同系であり、
配合牝馬に恵まれないのは仕方がないのかも・・・・・。
ただ晩成系というイメージがある血統で、
初年度産駒が5歳を迎える2012年あたりから
大物が出る可能性がまったくないとは言えないような気もする。
ロージズインメイは直訳すれば“5月の薔薇”。
5月初旬に行われるケンタッキーダービーでは勝者を讃えて
“ラン・フォー・ザ・ロージズ”と呼ばれる薔薇のレイが贈られる。
“5月の薔薇”とはまさにそのことであろう。
しかしロージズインメイは2歳9月に休養に入り、
復帰したのはケンタッキーダービーの半月前だった。
間に合わなかったのだ。
ところが復帰戦を12馬身差で圧勝すると、
そこからG1ホイットニーHを含めて5連勝と
破竹の勢いで進撃し、ブリーダーズCクラシックに挑戦。
当時の最強馬として恐れられたゴーストザッパーの
2着に健闘して文句のない一流馬の仲間入りを果たす。
まぁ、負けたのは仕方がなかった。
祖父デヴィルズバッグ(悪魔の鞄)、
父デヴィルヒズデュー(悪魔の満願)という血筋に、
ゴーストザッパー(幽霊退治人)との対決は
分が悪いに決まっている。
話が横道にそれたが、
デヴィルヒズデューも奥手なところがあり、
6歳まで走って44戦11勝の成績を残している。
ロージズインメイは4歳時のドバイワールドCの
勝利を最後に引退してしまったが、
走り続けていればどこまで強さを見せるか
計り知れないところがあった。
こうした父系に伝えられたゆっくりと成長して
徐々に力を付けていくという資質は現代的とは言えないが、
レッドストラーダのように勝ち上がってくれればシメタもので、
一口オーナーとしては先々も長く期待を持って楽しめることになる。
どこかでロージズインメイのように大化けという
密かな愉しみも味わえる。
さて、ストラーダとはよく知られるように
イタリア語で“道”を意味する。
フェデリコ・フェリーニ監督の不朽の名作
『道』はあまりにも有名で、哀切でノスタルジックな
トランペットの音色が心に沁みるテーマ曲
『ジェルソミーナの歌』は今でも多くの人々に愛されている。
『ゴッドファーザー』、『太陽がいっぱい』、
オリビア・ハッセーが目茶苦茶可愛かった
『ロミオとジュリエット』など名曲を生み出した
ニーノ・ロータの代表作の頂点だろう。
ベタに訳せば“赤い道”だが、
レッドとは薔薇の代名詞と言えなくもない。
レッドストラーダが行く道のどこかに、
真っ赤な大輪の薔薇を敷き詰めた
ウイナーズロードが待っていることを祈ろう。
