チャーチルダウンズを目指す「ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」シリーズは、9月にチャーチルダウンズで発進して、翌年5月第1土曜に聖地へと戻って頂上決戦がおこなわれます。この間の8ヶ月というもの、毎週末に概ね複数のプレップレースが準備されていて、フルゲート20枠を巡って生き残りをかけた壮絶なバトルが展開されます。サバイバルレースと呼ばれる由縁です。

 

日本とアメリカで事情が天と地ほどにも異なるのは、このあたりかもしれません。そもそもアメリカでは、馬主となったからには、またサラブレッドに生まれた限りは、ほとんど例外なくケンタッキーダービーを目指すと言われてきました。もともとデビューするサラブレッド頭数に大きな開きがあり、競馬場の数や番組本数も違います。日本のダートホースには、極めて過酷な状況となっています。

 

しばしば指摘されますが、11月下旬に施行されるOP・カトレアSから今週末のL・ヒヤシンスSまでほぼ3ヶ月の間、2歳馬、3歳馬を対象とするダート上級レースは組まれておらず、毎週のように前哨戦が開催されるアメリカに対して、日本ではダート戦の層も薄く、数も限られているのが現状です。今回のレモンポップのように目標のヒヤシンスSに体調が整わないと、いかなる強豪、あるいは春秋に富んだ素質馬であろうとも、更に厳しいレース選択を強いられます。

 

G3・JBC2歳優駿からG2・兵庫ジュニアグランプリ、G1・全日本2歳優駿に至る交流重賞路線が敷かれているとはいえ、出走枠の少ないJRA所属馬にはゲートインするだけでもひと苦労です。ドバイのUAEダービーという選択肢もありますが、こちらは更に難関の狭き門となっています。やむを得ず芝のレースを使う馬もいれば、ラペルーズのように出走機会を求めて門別など地方へ武者修行に出かける馬も出てきます。栄光を手にするのに楽な道はないのでしょうが、サラブレッドにとっては毎日が厳しい試練の時のようです。