関東地方では春一番が吹き荒れました。観測史上最速だそうです。こうした季節便りを前後して、クラシック前哨戦もいっせいに芽吹くのが如月(きさらぎ)ならではの喜びです。今週は牝馬のエルフィンS、牡馬が主役を務めるきさらぎ賞を頂点に、条件クラスながら春菜賞、ゆりかもめ賞など個性的なレースが目白押しで、クラシックシーズン到来を告げています。エルフィンSはレッドディザイアにはじまって、アヴァンセ、サクヤとレッド軍団から3頭も勝ち馬を輩出しているクラブ伝統の縁起レースで、今年はルージュグラースが素質馬、良血馬揃いの一戦にチャレンジします。

 

エルフィンSの魅力は、桜花賞本番まで2ヶ月とゆったりしたローテーションにあるようです。それゆえパフォーマンスの持続期間も長持ちする傾向にあり、桜花賞とオークスの双方で好成績に繋げる馬が多いようです。とくにエルフィンから桜直行という新機軸を開拓したレッドディザイアと松永幹夫調教師の名コンビは、ご存じのように桜・オークスがともに惜しい2着、秋の秋華賞で大輪を咲かせ、ジャパンCでも牡馬強豪相手に3着と息の長い活躍を見せてくれました。エルフィン・桜直行のディザイアパターンを踏襲した昨年のデアリングタクトは、牝馬三冠を達成し、ジャパンCも3着と素晴らしい走りでした。

 

きさらぎ賞は35年ぶりに創設の地・中京に里帰りします。もともと輸送事情も大変だった時代に、関西唯一の左回りコースの特性を生かして、ダービーを目指す有力関西馬が東上前の腕試しの場として活用してきたレースです。タニノムーティエやヒカルイマイがここを試金石にダービーを奪取し、無敗の大物キタノカチドキもここをステップに関東ファンの前にベールを脱いで大きな話題を呼びました。久しぶりの左回り、新たなスター候補生が生まれるのでしょうか?

 

春菜賞に出走のルージュアドラブルは390キロと小柄な馬体ですが、「小さい分だけ切れるはず」と国枝師はあくまで長所を生かしたレース運びに期待を寄せています。良馬場で伝家の宝刀を抜き放つような脚を披露してくれるでしょうか?とにもかくにも、いよいよクラシック本番へ向けて号砲が轟き、駿馬たちがいっせいにスタートを切る春本番です。今年も素晴らしいレースを心行くまで堪能させてもらいと思います。