今週のG3根岸Sで新年を迎えるレッドルゼルが、まだ土曜昼の段階ですが、飛び抜けた1番人気に支持されています。昨年までは人気も何も、そもそもゲートインに漕ぎ着けるまで大変な苦労を強いられていた馬です。そんなこんなを考えると、思わずホロリとした気分に誘われます。

 

ちょっと振り返ってみると、昨年は交流重賞も含めて念には念を入れて幅広い選択肢を抽出し、万全とも思える臨戦態勢を敷いたにもかかわらず、なんとも不運なことに準OPの銀嶺Sに始まって、G3東京スプリント、G2東京盃、G1JBCスプリントと立て続けに4度も除外となり、OP欅Sはレース条件に一抹の不安を憂慮して直前に出走回避、安田隆行先生はじめ陣営のルゼルへの高いポテンシャルに対する期待の大きさの一方で、狙い通りのローテーションにはほど遠い苦境に悩まされました。競馬は“優勝劣敗”が基本中の基本ですから、何らかの除外特典など救済措置はあり得ませんから、仕方がないと言えば仕方がないのですが。

 

一昨年の降級制度の廃止で、オープンクラスを筆頭に上級馬ほど出走除外が日常化するなどレース出走の門が狭まり、安定した出走機会を求めて地方への転厩を余儀なくされる馬も続出しました。幸い現在はネット馬券の盛り上がりを中心に地方競馬も大変な好況に沸いており、南関東を筆頭に賞金も増額トレンドにあります。この水準なら馬主経済も何とか均衡を保てて行くのでしょうが、問題の本質的な解決は在厩頭数とレース数のバランスでしょうね。しかし、こうした競馬界を取り巻く環境は年が改まっても改善される兆しは見えず、とくに元々が出走希望頭数に比べて番組数の少ないダート戦は相変わらず厳しいままです。

 

しかしレッドルゼルは不自由極まりないローテーションの中で、自力だけを頼りに昨年はリステッドのコーラルS、OP室町Sと勝ち星を重ね、G3カペラSでもクビ差2着で賞金加算に成功し、冷酷な除外の扉に涙を飲む不運からひとまず脱出できました。今年はローテーションに自由度も増し、本来の力を問えるレース選定が可能になって来ます。“万事塞翁が馬”のことわざもあります。ルゼルにとって不運に泣いた去年の分まで、大きく羽ばたく1年になればと願っています。