さまざまなスポーツの世界で、「横綱相撲」という言葉が広く

伝えられています。スポーツに共通する戦いの基本は、自らの

実力を存分に発揮できる態勢に持ち込み、それと同時に相手の

強みを消す微妙な駆け引きが勝ち負けを左右するとされます。

 

しかし、それぞれの分野で最高位を極めた第一人者は、相手が

持てる地力を発揮できる構えに入ることを敢えて受けて立ち、

その上で正々堂々の勝負を演じることを求められてきました。

世に「横綱相撲」と呼ばれ、誇り高い王者たちは相手の強さを

引き出すことで、競技全体のレベルを更なる高みに引き上げ、

その頂上に君臨し続けることを無上の喜びとしてきました。イ

ギリスを母国とするホースマンシップもそのひとつでしょう。

 

元ジョッキーの安藤勝己さんは、ご自身のツイッターで「アー

モンドアイは、ジャパンカップに勝ったばかりではなく、その

完璧なレース運びを通じてライバルであるコントレイルやデア

リングタクトの強さを引き出した」とつぶやいています。

 

言われてみれば、確かにその通りです。アーモンドアイとルメ

ール騎手は、直線で先に抜け出してライバルたちの目標となり

、その強襲を逆に突き放して見せることで、自らの強さを際立

たせました。しかも空前の金字塔である九冠馬として、これま

で無敗だった三冠馬2頭を引き連れて先頭でゴール。どこから

見ても完全無欠の「横綱相撲」を史上前例のない舞台で、見事

なまでに演じ切ったアーモンドアイ。可憐すぎるつぶらな瞳を

輝かせる牝馬はレースに勝利し、最高の競馬を創り出すクリエ

イター(神)の役割までも果たしたということになるのでしょ

うか?日本の競馬は、着実に進化の階段を昇り続けているよう

です。