今年の2歳リーディングサイアー争いが、熾烈を極めています。

初年度産駒を送り出したモーリス、ドゥラメンテが期待通りか

は別にして(期待の大きさや内容は人それぞれでしょうから)

まだ大物こそ出現していないものの、コンスタントに走ってい

るのは間違いないでしょう。2年目を迎えたエピファネイアは、

第1世代から無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトという超大物

を輩出。今季デビューの2世代目も順調な歩みを見せています。

同じくキズナは交流を含めると芝砂双方で重賞8勝と、ここ一

番での勝負強さを伝えているのは立派です。この新興勢力の破

竹の進撃の前に、頑と立ち塞がっているのがディープインパク

トでした。スタートダッシュこそ後輩たちに譲りましたが着々

と勝ち星を重ね、先週は悠々の2勝に加えて、G2京王杯2歳S

で9番人気と人気薄だったロードマックスが、直線一気の差し

脚でクビ差2着。口惜しい敗戦でしたが入着賞金の加算に成功

し、遂に2歳リーディングのトップを奪首しました。

 

この新ライバル関係は、新興勢力がサンデーサイレンスの血を

血統内に抱え、サンデーサイレンス・クロスを重要なセールス

ポイントとしているのに対し、ディープとキズナのディープ系

種牡馬は、非サンデーサイレンス牝馬を選ぶことが多いという

明確な差異が示されていることです。どちらかが一方的に栄え

他方が滅亡するということにはなりませんが、今後の血統潮流

を考察する上で、将来に大きな影響を及ぼすことが推察されま

す。牝馬三冠のデアリングタクトを筆頭に、サンデーサイレン

ス4×3クロスを持つ馬たちは絶好調といっていいスタートを

切っていますが、骨肉の争いは当分の間、レースのハイライト

になりそうです。

 

ディープインパクトは、種牡馬デビューから3年目にJRA全体

のリーディングサイアーに輝き、以来10年連続して不動の王

者に君臨しています。種牡馬としては2歳戦で一層優秀さが際

立っており、1年目からチャンピオンの座に就くと、2015年に

天才早熟血統・ダイワメジャーに敗れたのを唯一の例外とすれ

ば、まだ王座を譲ったことがありません。2歳リーディングの

唯一取りこぼしが残念というより、気の毒なのはダイワメジャ

ーの方。もしディープさえいなければ、史上最高2歳サイアー

の栄光はダイワメジャーの上に燦然と輝いていたのは確実でし

ょう。前出の京王杯2歳Sの勝ち馬が、その血を引くモントラ

イゼだったのは、歴史の皮肉というべきか、この時期あたりの

マイルまでなら、ダイワメジャーの完成度の高さ、非凡さの傑

出ぶりを如実に物語るもの。まだ老け込む年でもありませんか

ら、更なる活躍馬の輩出を期待したいところです。

 

今後は毎週のように2歳重賞、リステッドレースが組まれてお

り、リーディング争いはこれからが本番中の本番と言えそうで

す。

 

今週はG2デイリー杯2歳S。帝王ディープインパクトが送り

込むレッドベルオーブが一歩リードという前評判なのでしょう

か。東サラゆかりの名繁殖牝馬・エリモピクシーが送り出した

リディルとクラレントの兄弟制覇を追って、昨年のレッドベル

ジュールに続いてベルオーブの全兄弟連覇成るか?熱い戦いに

なります。藤原英昭厩舎にとっては、先週のロードマックスの

無念を晴らす一番です。藤原調教師にとっては、期待したピク

シーの遺児レッドオルガに重賞を戴冠させてやれなかった悔し

さも忘れられません。

 

そうした様々な人々の思いの数々を背負って、ベルオーブには

母レッドファンタジアを、名牝エリモピクシーとも遜色のない

東サラの誇りとなる名繁殖へ押し上げる仕事も待っています。