先週末におこなわれた天皇賞(秋)で、アーモンドアイが強い

競馬を見せてくれました。平地国際G1・7勝を記録した栄光の

七冠馬でしたが、八冠到達は史上初の金字塔となります。

 

彼女の強さは長く歴史に残るものでしょうが、牝馬全体の層が

かつてなく厚くなっているのも、近年の傾向となっています。

とくに今年は牡馬三冠、ダートのフェブラリーS、天皇賞

(春)、NHKマイルCを除くすべてのG1レースを牝馬が制

しています。ビックリです。グランアレグリアの安田記念&

スプリンターズSの圧巻連勝劇、クロノジェネシスの宝塚記念、

無敗牝馬三冠デアリングタクト。どの馬も強く、衝撃的なパ

フォーマンスを披露してくれました。中でも、牡馬と対等以

上に渡り合っての勝利は称賛ものです。

 

牝馬優位の背景には、彼女たちをアスリートとして磨き上げる

飼料開発も含めた育成技術、調教技術の進歩が挙げられるでし

ょうが、牡馬に比べて2キロ減のセックスアローワンス(牡牝

の負担重量の差)が少なからず影響を及ぼしていると指摘する

人も多いようです。このルールは世界一律ではなく、国や地域

によって異なっており、競馬のあり方やその国々の個性にまで

波及しているようです。競馬先進国では、アメリカが1キロ減

と牝馬不利に映りますが、その反面で牝馬限定戦が体系的に確

立されており、牝馬が牡馬に挑戦するのは稀です。近年ではカ

ジノドライヴの半姉にあたるラグズトゥリッチズのベルモント

S、プリークネスSでのレイチェルアレクサンドラ、今年のスイ

ススカイダイヴァーが印象的ではありますが、牡馬相手にG1

を勝ちまくるイメージはありません。

 

ヨーロッパは1.5キロ減とされ、日本とアメリカの中間に位置

しています。中庸的というか、番組上の極端な個性は見られな

いようです。ただ、牝馬の場合はヨーロッパの競馬に大きな影

響力を発揮するオーナーブリーダーの意向が反映され、息長く

タフに走り続ける馬も多く、ファンを楽しませてくれるという

点では貴重です。

 

オーストラリアは日本と同じ2キロ減と、伝統的に牝馬優位の

風が強く吹き渡る牝馬帝国を築き上げています。南十字星の超

特急ブラックキャビアが不敗の25戦25勝を記録!女帝ウィン

クスは現地年齢で2歳から7歳まで、健康そのもので休みなく

走り続け、3歳後半以降は引退の日まで33連勝、うちG1が25

勝。空前絶後の破天荒な超モンスター級牝馬として歴史に名前

を残しました。

 

17年シーズンからヨーロッパは、重量有利で強過ぎる3歳馬の

世代混合戦負担重量を1ポンド(約0.5キロ)増量しています。

このルール変更年は、3歳エネイブルがキングジョージに始ま

りヨークシャーオークス、凱旋門賞まで古馬を圧倒しています

が、当時のエネイブルは異次元の怪物級底力を誇っていました

から、適正な改正効果があったかどうか、実のところ謎のまま

です。ルールは簡単に変えるべきではないでしょうが、時代の

推移に沿って検討されるべきでしょう。牝馬2キロ減から、恐

らくは1.5キロ減への変更が議論されて然るべき状況だとは思

います。日本競馬がどう変わって行くのか?分岐点を迎えたよ

うです。