先週の話ですが、ペルーサが嬉しい産駒初勝利を飾りました。

500キロと父譲りの雄大な馬体を輝かせて、北の大地・門別に

姿を現したラペルーズは、転入緒戦の2歳未勝利戦ダ1200mを

好位から力強く抜け出して、2馬身半突き放して快勝しました。

たかが地方での1勝、されど1勝。藤沢和雄先生が大切にされる

「一勝より一生」をシミジミと心の内で繰り返します。

 

ご記憶のようにペルーサは、デビューから圧巻のG2青葉賞まで

4連勝と底知れないポテンシャルで世を震撼させた神童でした。

現役時はここ一番で出遅れ癖もあって大成できませんでしたが

愛すべきキャラクターへの、ファン・オーナーの深い愛情から

アロースタッドで何とか種牡馬に。アルレシャ、ショウダウン

ブランシェールはじめ東サラお馴染みの牝馬が集まりましたが

初年度12頭、2年目5頭と種付頭数は少数にとどまっています。

これもG1未勝利の実績を思えば、やむを得ません。

 

しかしペルーサが非凡だったのは、8割近い受精率をマークした

旺盛な生命力!産駒の多くはセリ市場でハンマープライスされ

健康に生まれ順調に育ったことが分かります。芝は無論のこと

ダートもこなす適性の幅広さは馬主さんには魅力でしょうね。

「1頭で何度も楽しめる」のは馬主冥利に尽きるでしょうから。

ゼンノロブロイ系は総じてダート得意とする仔が多いのですが

ラペルーズは母父エンパイアメーカー、祖母父キングマンボと

ロブロイ自身の母系祖父であるミスタープロスペクターの血を

たっぷりと補強され、ダート戦志向で血統構成されています。

叔父ハリケーンバローズ(父アンクルモー)は角居勝彦厩舎で

秘めるポテンシャルはG1級と高評価されながら故障で引退した

悲運の名馬でした。これだけの血が走らないはずありません。

 

どこまで行っても藤沢和雄先生は「謙虚の人」だと思います。

馬の適性は、実際に走らせてみなければ分からないからです。

血統・体型・気性、どこを切ってもダートしか出てこない馬が

芝を爆走するケースが万に一つ出現するのが競馬だからです。

藤沢和雄厩舎にクラヴィスオレアという馬が在厩しています。

ラペルーズとは正反対に、門別の小野望厩舎からデビューした

クラヴィスオレアは新馬戦を勝ち上がると芝のレースを求めて

父系祖父タイキシャトル、父レッドスパーダの後を追うように

3代続いて名伯楽・藤沢和雄師の薫陶を受けることになります。

先日の札幌開催で3勝クラスを完勝、遂に悲願のオープン入りを

果たしたのは立派です。スパーダの仔が重賞チャレンジできる

地位に上り詰めて来たのは夢のような思い、感無量です。

 

ラペルーズのデビュー戦は、東京の芝1800mでした。案の定、

彼は惨敗し1戦だけで、門別の小野望厩舎へ転厩が決まります。

馬産地らしく、2歳戦が質量ともに充実した番組編成が特徴で

藤沢師は小野厩舎を主力に門別との交流を深めつつあります。

6月開催のロイヤルアスコット遠征を目指せば、開幕が日本一

早い門別の2歳戦は欠かせぬステップとして機能するだろうし

そもそもJRAの2歳ダート条件戦は、レース自体が稀少な存在。

新馬・未勝利を無事に勝ち上がっても、異常な出馬ラッシュに

巻き込まれます。出られなければ、勝ちも負けもありません。

充実した番組体系下で目標レースに向けてキッチリ仕上げられ

能力を余さず存分に戦うことが、競走馬にはどんなに幸せか?

不幸にもそうはならなかったペルーサの仔だけに、その思いは

いっそう強いものがあります。

ラペルーズに、いずれJRA復帰のチャンスが待っているはず!

「美浦⇄門別」ルートは、藤沢厩舎が開拓した新たな父子3代の

出世街道として定着して行きそうです。