サドラーズウェルズ・ガリレオ親子は、世界最高レベルを誇る

英愛のリーディングサイアーに父が14回、子は11回で継続中と

ほぼ30年近くにも渡って、大きな影響力を及ぼして来ました。

ただし日本は除き、というお話になります。重賞勝馬で言えば

世界各国で積み上げたG1勝利は父132勝、子183勝と驚くべき

アベレージに達するのですが、日本ではG1どころかサドラー

産駒のサージュウェルズがG3時のステイヤーズSを、遡ること

四半世紀前の96年に勝っているのが唯一の勲章で、ガリレオに

至っては未だに重賞馬を出していません。

 

ひと昔前の戯画風なのですが、英国式ジェントルマンの風態は

もともと雨量が多い上に、気候が変わりやすい風土に囲まれて

常に蝙蝠傘を小脇に抱えているイメージがあります。そのため

競馬の馬場状態も稍重がスタンダードとされ、ご存じのように

重・不良も珍しくありません。良の場合には散水で馬場を緩め

稍重化するのが普通。それでもスクラッチ(出走取消)続出や

開催自体が中止されるケースすらあります。

サラブレッドの能力として稍重や重・不良馬場に対する適性が

高く評価されるのがヨーロッパ流の基本でした。

 

が、この流れにも大きな変化の潮目が訪れつつあるようです。

ガリレオ二代目から日本適性に卓越した血が現れ始めました。

高速馬場で知られる新潟コースで先週行われたG3新潟2歳Sを

ガリレオ系グレンイーグルスの輸入産駒ショックアクションが

決め手勝負を制しました。サドラーズウェルズ・ガリレオ系と

思えないほどのイメージ一新!鮮やかな切れ味でした。

 

ガリレオ系は、フランケルの初年度産駒ソウルスターリングが

阪神ジュベナイルフィリーズで世界で最初のG1ホースとなり、

オークスで世界初クラシックを制覇しています。

モズアスコットは、芝の安田記念、ダートのフェブラリーSと

マイルG1二刀流王者の勲章に輝きました。これに勢いを得てか

父ガリレオが果たし得なかった重賞勝ち馬を、ケープブランコ

ニューアプローチ、グレンイーグルスなどが、次々と輩出して

堅く締まった日本流仕様の馬場でも、鋭い切れ味を爆発させる

ガリレオ系ニュータイプとして、続々名乗りを上げています。

 

これと言うのも、ヨーロッパを絶対中枢として来た競馬の世界

地図が広がるに連れて、ヨーロッパの基準が世界標準であった

価値観に変化がもたらされるようになり、前出の馬場状態にも

お国柄が反映され、堅く時計の出やすい馬場への対応も能力の

カテゴリーのひとつとして広範に認知され、世界の競馬事情は

「多様性」へと大きく舵を切ったのがキッカケでしょうか?