南国・小倉で先々の楽しみをはらんだ夢の蕾が膨らみました。
阪神新馬戦で強敵揃いの一般馬を向こうに回して勝ち上がった
ヨカヨカが生まれ故郷の九州に錦を飾り、ここも一般馬相手に
OPフェニックス賞を1分07秒9とこの時期の2歳牝馬には破格の
好時計で快勝、次走に今週のG3小倉2歳Sではなく先週土曜の
OPひまわり賞を選びます。「九州産馬のダービー」なる異名で
知られる小倉名物です。谷潔調教師をはじめ関係者の皆さんは
「九州」の地名に熱い思い入れがあったのに違いありません。
そしてひまわり賞の女王として、九州産馬を代表して牝馬達の
祭典・桜花賞に挑みたい願いが衝き動かしているのでしょう。
九州熊本の本田土寿さんの生産馬です。熊本地震に被災したり
集中豪雨被害に苦しめられたり、大変な自然災害と戦いながら
馬産の灯火を絶やさないで、巡り合ったのがヨカヨカでした。
ご承知のように、九州産馬のサラブレッド全体の頭数に占める
割合は1%以下のマイノリティ(少数派)であり、しかも牝馬を
北海道に連れて行って種付けを行い九州に帰ってから出産する
いわば「持ち込み九州産」も少なからず存在しています。
父スクワートルスクワートは、BCスプリントを快勝している
ミスプロ系のスプリンターですが、九州の生産者に評判が良く
北海道、青森などを経由し再び呼び戻された経緯があります。
ヨカヨカは父から軽快なスピードを伝えられているのは確実で
母系には、重厚な欧州ステイヤー血脈が受け継がれています。
近親にジャパンCのピルサドスキー、エリザベス女王杯の女傑
ファインモーション兄妹、中山大障害のレッドキングダムなど
錚々たるスタミナ自慢が名を連ねています。配合的にはむしろ
スピード不足が懸念されるほどのゴリゴリのスタミナ派かも?
これが成長に従って、どう出るのか?興味深いテーマですね。
その点に関しては、幸い今のところ心配ご無用なようですが。
種付けも生まれも九州メイド、おまけにJRA宮崎育成場育ちの
ヨカヨカのような「純九州産」は、かなりレアな希少派です。
九州産の重賞馬は何頭か記録に留められていますが、最強馬は
大井在籍当時にはハイセイコーの最大のライバルと畏怖された
ゴールドイーグルでしょうか?度々の故障に悩まされながらも
東海公営を経て中央入り、傑出したスピードと父カブトシロー
譲りの変幻自在の逃げ脚で大阪杯、マイラーズCと重賞を連勝、
次走の天皇賞春ではテンポイント、グリーングラスと競馬史に
輝く名馬達に続く3番人気に、堂々支持されたほどの馬でした。
ゴールドイーグルの再来と呼ばれるほどの馬に成長できるか?
ヨカヨカの旅は始まったばかりですが、ひまわり賞の価値ある
勝利で収得賞金を1500万円と積み上げました。よほどのことが
ない限り、桜花賞出走枠内を確保できるレベルに達しました!
「真夏のひまわり」から「春爛漫の桜花」へ、数多くの人々の
夢を載せ、ふくらんで行く蕾の成長を楽しみにしたものです。