牝馬たちが、ただならぬ勢いでG1戦線を席巻しはじめたのは、
ちょうど1年前の宝塚記念あたりからでしょうか?
リスグラシューが、今年も2着だったキセキを3馬身もちぎって
秋にジャパンCを勝つスワーヴリチャード、前走大阪杯制覇の
アルアイン、ダービー馬レイデオロなどを軽々一蹴しました。

秋にアーモンドアイが天皇賞秋を驚異の世界レコードで制圧!
オーストラリア遠征したリスグラシューは当地の中距離最高峰
コックスプレートを勝利した返す刀で有馬記念は5馬身の圧勝!
彼女は牧場へ帰りましたが、今年もナデシコの進撃は止まらず
大阪杯、安田記念はともに華やかな牝馬1-2で決着しています。
そして昨日の宝塚記念、直線で1頭だけ翼が生えたように翔んだ
クロノジェネシスが6馬身差の劇勝!ビックリさせられました。

ご承知のように、近年の牝馬の強さは広く世界的な傾向であり
日本だけに限った話でありません。リスグラシューの前年まで
コックスプレート4連覇の偉業を含む33連勝と破天荒な記録を
樹立したオーストラリアのウィンクス。足かけ5年にも渡って
負け知らずだったのですから「牝馬はピークが短い」どころの
話ではないようです。また、デビューから不敗の連勝記録では
同じ南十字星の使者ブラックキャビアが生涯負け知らずの25!
ヤンキー娘ゼニヤッタは引退レースBCクラシックで追い込んで
アタマだけ届きませんでしたが、それまでは19戦19勝でした。
フランスのトレヴとイギリスのエネイブルは、凱旋門賞連覇を
達成して歴史に名前を刻んでいます。

これだけ牝馬が強く、世界のビッグレースで牡馬勢をなぎ倒す
現実を見せつけられると、日の丸代表に牝馬のピックアップを
一考する必要があるかもしれません。とくに宝塚記念の場合は
梅雨時で湿りがちな馬場が舞台ですから、ヨーロッパのコース
適性を測るには好都合。ナカヤマフェスタやオルフェーヴルは
ここを勝って凱旋門賞は2着健闘したデータが証明しています。
宝塚記念は、ブリーダーズカップチャレンジ競走に指定されて
BCターフ、昨年から新たにコックスプレートもこれに加わり、
優先出走権から登録料や輸送費補助まで特典が付与されます。
後者の場合は勝てば賞金に加えビッグボーナスも贈られます。
もちろん、ヨーロッパ遠征という選択肢もあります。

しかし課題も少なくありません。一つは負担重量がそれです。
海外G1は牡馬負担重量に対し、牝馬は1.5キロ減が一般的です。
日本は2キロ減ですから、牝馬に少し有利に設定されています。
「たかが500グラムされど500グラム」です。この経験の差が
ゴール前の際どい競り合いに、反映されないとは言えません。
実際のレースも含めて、普段から同じ環境で鍛えておくことが
調教というものでしょう。
鍛えられたナデシコたちの世界への進撃の夢が広がります。