二日目のロイヤルアスコットは、2RのG3ハンプトンコートSが

関心を集めました。女王陛下の愛馬ファーストレシーヴァーが

1番人気で出走したからです。前走ケンプトンのAWメイドンを

勝ったばかりの馬ですが、その勝ちっぷりが凄まじく7馬身もの

大差にちぎっています。女王は5年前のこのレースでピーコック

が2着に惜敗しています。判官贔屓というか女王贔屓というか?

今回は国民的エールを背中に受けたその雪辱戦です。

 

レースは、レシーヴァーが前半掛かり気味で名手デットーリが

なだめながら後方に下げます。ケンプトンで彼に騎乗してその

強さを誰よりも良く知るムーアが今日はロシアンエンペラーの

鞍上でレシーヴァーをマークするように最後方に陣どります。

決着は直線勝負へと持ち込まれ、先に抜け出したマーフィーの

ベルリンタンゴをデットーリが強襲すると、さらに後方からは

ムーアが追い込み、トップジョッキー3人の熾烈な追い比べは、

追う強みか?作戦が奏功したか?ムーア=エンペラーに凱歌が

上がりました。ガリレオ産駒で距離が延びても苦にしません。

この勝利でエンペラーは英が11倍、愛では7倍の3番人気に抜擢

されてダービー戦線の新星に踊り出しています。

 

女王の落胆ぶりはお察ししますが、しかしこの日の第6レースの

2歳リステッド・ウィンザーキャッスルSで愛馬タクティカルが

見事に勝利を飾り女王を喜ばせてくれたのは良かったですね。

競馬も「七転八起」、古来の言い伝え通りなのでしょうか?

女王でも勝ったり負けたり、「尊敬」はあれど「忖度」のない

競馬の世界の素晴らしさを改めて思い知らされます。

 

この日のメインは中距離のG1プリンスオブウェールズSです。

日本でもお馴染みのジャパンが、1番人気に支持されています。

レースも、僚馬バンコクがペースメーカーとして露払いを務め

ジャパンは、いつになく早めから動き好位3番手をキープして

見た目には盤石の構えと思われました。

2番人気はジョン・ゴスデン厩舎の上がり馬ロードノースですが

最後方でゆったりと構えています。ゴスデン師が伝えるように

「ヤンチャな馬」で、馬群から離れて伸び伸びと走らせた方が

奥に秘めたポテンシャルに点火されるタイプなのでしょうか?

 

直線で役目を終えたバンコクが下がり、アディブが押し出され

この馬を目がけて各馬が追い出しにかかりますが、ジャパンは

案外に伸びません。インをロスなく回ったロードノースは外に

持ち出されると末脚を爆発させ、4馬身近くも突き抜けました。

「クレイジーさ」解消のために1年前に去勢されて、それ以降は

安定した成績を残すようになり、2000mに距離を延ばしてから

リステッド、G3、G1と敵なしの連勝街道を驀進中です。

やや手薄感もあった昨今のヨーロッパ中距離界に待望の新星が

誕生したようです。

 

ジャパンは好位から加速できず、前方のアディブを捉えられず

後方のバーニーロイにも差し込まれ4着は首を傾げる内容です。

しかし元々が緒戦駆けするタイプでなく叩かれて味が出る馬。

大目標は凱旋門賞でしょうから、まだ時間は残されています。

「ジャパン・リベンジ!」の新しい楽しみが増えたようです。