G1馬10頭が集結した空前のハイレベル戦安田記念を快勝した
グランアレグリアは、+12キロだった前走の高松宮記念から
さらに+6の492キロとデビュー来の最高馬体重でパドックに
雄姿を現しました。新馬戦時には458キロの中格馬でしたから
実に34キロも成長しています。しかも素晴らしい仕上がりで
サラブレッドとして完成期を迎えた風格すら漂っていました。

レースはご存じのように、名うてのG1馬達が群れを成すように
引っ張り、息の抜けない緩みのない流れをつくり出しました。
その直後に奇跡的にもポッカリ空いたスペースをアレグリアが
落ち着き払って気分良く追走します。スタートを少しミスった
アーモンドアイとインディチャンプはその後に構えています。
アーモンドアイは、出遅れて位置取りを悪くしたのと、外側の
進路を終始ペルシアンナイトに抑えられたのが痛かったです。
直線に向いても進路確保に手間取り、一呼吸スパートが遅れて
突き放しにかかるアレグリアに致命的な差をつけられました。
インディも直線で窮屈になる場面があり遅れてのスパートに。
こうしたツキのあるなしも含めた上での競馬なのでしょうか?

しかしグランアレグリアは歴代の錚々たるワンダーホース達に
まったく見劣りしない堂々として鮮やかなレースぶりでした。
安田記念の歴史に新たな感動の一頁を書き加える勝利でした。
G1を勝ちまくって来た割には、大物不在と揶揄されがちだった
父ディープインパクトも凄いですね。昨夏亡くなった以後から
堰を切ったように爆発しはじめ、フィエールマンが天皇賞春を
連覇するなどG1を3勝の固め打ち、先週はコントレイルが遂に
6頭目のダービー馬にして、初の二冠制覇を成し遂げています。

ディープ自身が、偉大なサンデーサイレンスが亡くなった年に
生まれていますが最晩年に超大物を出す血統なのでしょうか?
アレグリアの母タピッツフライは既に亡く全弟ブルトガングも
新馬戦の勝利を悲しい置き土産に、不幸にも若死しています。
アレグリアは望まずして天涯孤独の身となってしまいました。

しかし巨匠藤沢和雄先生最晩年の最高傑作へと成長した名牝は
安田記念の歴史に残る「究極のワンダーホース」として君臨し
この先の競走馬としてのさらなる成功、繁殖牝馬として無限の
可能性を思えば、天涯孤独の大幹からの枝葉の壮大な広がりに
競馬だからこその夢は膨らむばかりです。
「可能性の狩人」藤沢先生のことですから、宿命のライバルと
なったアーモンドアイのホームグラウンドである東京2000mで
夢の対決を見せてくれる!なんてことが起きないでしょうか?