競走馬として、種牡馬として、クラシック史上に不滅の蹄跡を

刻んだディープインパクト亡き後、初めて迎えたオークスでは

彼の血を持たないデアリングタクトが桜に続き戴冠しました。

無敗の新女王はロベルト系の新種牡馬エピファネイアの血統で

2着にもスクリーンヒーロー産駒のウインマリリンが粘り込み、

ロベルト系のワントゥー決着で幕を閉じました。

 

ロベルトはクールモア調教拠点バリードイルの初代専属調教師

ヴィンセント・オブライエン師の薫陶を受け、英ダービーにも

勝っている名馬ですが、直前の鞍上交代がファンの不興を買い

「称賛なきダービー馬」と不名誉な二つ名で呼ばれています。

おまけに、名馬リボーの欧州記録16戦16勝に王手をかけていた

ブリガディアジェラードに土を付けたことがブーイングを浴び

稀代のヒール(悪役)の汚名を着せられた気の毒な名馬です。

 

しかし、ここ一番での底力は一級品で、後継産駒たちを通じて

三冠馬ナリタブライアン、グランプリ三連覇のグラスワンダー

またその息子スクリーンヒーローは9番人気だったジャパンCで

一世一代の大駆けを演じ、種牡馬としても期待の大物新種牡馬

モーリスへと着実に血を繋いでくれています。

有馬記念はド派手な大差で花道を飾ったシンボリクリスエスは

その一発駆けの奥義をエピファネイアに伝え、デアリングへと

リレーされているのは、ほぼ確かだろうなぁと想像できますし

19戦19勝の女傑ゼニヤッタを大一番・BCクラシックで破った

ブレイムなど、記憶に残る名プレーヤーを送り続けています。

コンスタントにとは行きませんが、忘れた頃に大物を輩出する

「称賛されるべき個性派」として競馬を盛り上げてくれます。

 

デアリングタクトに幸運の女神の後押しもあったのでしょうが

ロベルト系の重厚な底力に、器用に立ち回れる機動力や一瞬の

爆発力を重ねたのはサンデーサイレンス3×4クロスであるのは

ほぼ間違いないでしょう。このクロスが生んだクラシック馬は

初めてなのですが、やっと出始めたばかりの新種の配合なので

エピファネイアを先頭ランナーに仰ぎ、今年の新種牡馬からも

モーリス、ドゥラメンテなど、SSクロスを売り物にする大物が

ポスト・ディープインパクトの新トレンドを繋いで行きます。

今後は、血統の新風景を愛でるのも楽しみに加わりそうです。