「ディープインパクトとキングカメハメハを失った私たちには
次の種牡馬を探すことが急務。ガリレオの血が日本でも走れる
ことを証明したい」日曜に行われたドーヴィルのイヤリングで
ガリレオ牡駒を1億7000万円余で落札した中内田充正調教師は
令和新時代の競馬界が背負う大きな課題をそう述べています。
世界の競馬界に君臨する帝王種牡馬ガリレオの日本での苦闘は
昨日お話した通りなのですが、中内田師はキャメロット牡駒も
7600万円余りで競り落としました。こちらも負けず劣らずの
良血馬で、母の半兄には凱旋門賞馬ハリケーンランがいます。

キャメロットは、アイルランドの名門エイダン・オブライエン
厩舎で調教され、デビューから無傷の5連勝で英2000ギニーと
英愛の両ダービーを制した二冠馬。1970年のニジンスキー以来
42年ぶりに三冠に挑戦した勇敢な馬として人気がありました。
父が2400m級の鬼モンジューで、母父がキングマンボの血統、
サドラーズウェルズ系Xキングマンボ配合は道悪の凱旋門賞で
モンジューと死闘を演じたエルコンドルパサーの逆パターン。
パワフルでスタミナに富んだ欧州血統で、重厚さという点では
ガリレオ以上と考えておいて良いのではないでしょうか。

距離は2400mがベストで、道悪は鬼神の領域に達しています。
しかも単にパワフルなだけではなく、凄まじいまでの破壊力を
備えているのですから無人の野を行く境地でしょう。
しかし、東京コースで行われたジャパンCにやって来た当時は
全盛期!間違いなく世界最強馬の座を張っていたモンジューは
スペシャルウィークに2馬身余り突き放される完敗を喫します。
馬場適性というものは、今も昔も変わらず悩ましいものです。

果たしてモンジューの息子キャメロットの日本適性やいかに?
彼の母ターファーはマイルの歴史的名牝ミエスクの息子である
キングマンボと母父デインヒルの配合で生まれたスピード馬で
全5勝中4勝までマイル戦で上げています。キャメロット自身も
マイルは3戦3勝と底を見せていません。イメージとは異なって
そのポテンシャルの本質は案外スピードを秘めているのかも。

クールモアへスタッドイン後は、2万5000ユーロから始まった
種付け料は3万ユーロ、そして今年は4万ユーロと右肩上がりに
値上がりしています。それだけ産駒のデキが良いのでしょう。
スタミナ自慢だけの種牡馬に、4万ユーロは支払えませんから。
二大巨星が墜ちた今、世界に通用するポテンシャルを潜在した
新しい血を探し求める旅は始まったばかりです。
キャメロットのような血統や実績からは、日本適性という点で
“逆張り”とも思える選択なのですが、多様性の中にあってこそ
可能性の芽が潜んでいるという考え方もあって良いでしょう。
この旅には、そんなチャレンジ精神がこそ必要なのでしょう。