「私たちは、ディープインパクトとキングカメハメハを失った
ばかりで、新しい血の探さねばなりません」日曜日にフランス
ドーヴィルで開催されたアルカナ社のイアリングセールに駆け
付けた中内田充正調教師が、参加の理由をそう語っています。
大変な時代になったものだと、改めて思わされます。

結局、中内田師はガリレオ牡馬を150万ユーロ≒1億7700万円で
落札します。この日2番目の高額でしたが、最高額はドバウィの
牝馬にゴドルフィンが指した162.5万ユーロ≒2億円弱でした。
この馬とガリレオ牡馬は母親が全姉妹同士の間柄で、一族には
1勝馬ながら、その1勝がクラシックの愛オークスという怪物で
凱旋門賞連覇の同期トレヴの最大の宿敵と言われたチキータや
G1で4度も2着している現役マジックワンドなどの並々ならぬ
実力と豊かな個性兼備の馬が名を連ねます。烈しい気性ゆえに
真っ直ぐ走れなかったチキータはそれでも底知れぬ潜在能力を
評価されドーヴィルのセールで800万ユーロ、当時のレートで
10億円超という破格の高額でクールモアに購買されています。
この牝系への信頼の厚さは欧州でも最高位にランクされます。

しかし不安もあります。ご承知のようにガリレオの血は日本で
実績らしい実績がなく、これまでJRAで36頭が出走して14頭が
通算で29勝を上げていますが、重賞はまだ馬券内に来ておらず
収得賞金では藤沢和雄厩舎にいたミッションモードが稼ぎ頭で
勝利数はこれも藤沢厩舎のレッドシャンクスの4勝が最高です。
世界中で80頭のG1馬を輩出し、ステークスウイナーは200頭を
越す大種牡馬も、洋芝でもまだ堅すぎるのでしょうか?なぜか、
日本だけでは、走ってくれません。

しかしガリレオ直系フランケルは、世界で最初のクラシックを
日本で勝っています。配合に工夫を凝らされ代を重ねるごとに
堅い日本の馬場にも適応できるようになってきました。中内田
厩舎に入るガリレオ牡馬は母父が堅良馬場で爆発力を発揮する
ダンシリを配されています。代表産駒ハービンジャーやその娘
ディアドラ、凱旋門賞2年連続2着や北米の芝G1で実績を残した
フリントシャーなどを見るとレコードの出るような堅い馬場で
能力を全開させるタイプだと言えそうです。

中内田師は「ガリレオの血統を、必ず日本でも走らせる!」と
並々ならぬ覚悟でチャレンジしてくれるようです。ポッカリと
空いた、大きな二つの穴を埋める活躍を期待したいものです。
中内田師はガリレオ以外にも、キャメロット牡馬を65万ユーロ
≒7670万円で落札しています。今年の2歳馬勢が3世代目という
まだ若い新進種牡馬です。この話題は明日お届けしましょう。