ヘイローとノーザンダンサーと。2頭の偉大な種牡馬の相性が
抜群に良いのは両馬が従兄弟同士の間柄であり、その母系には
現代血統に大きな影響力を及ぼす基幹種牡馬が名を連ねており
“近からず・遠からず”の縁戚関係で血統が構成されています。
日本を代表する名種牡馬ディープインパクトとハーツクライは
ともにヘイロー≒ノーザンダンサー2X4の従兄弟クロスを持ち、
代を重ねるにつれ、その補強が牝馬選択の鍵を握ってきます。
従兄弟クロス補強の成功例が、ノーザンダンサーの孫にあたる
ストームキャットとその子孫で、馬場の固いアルゼンチンなど
南米で実績を残し、同様の馬場状態で開催されいる日本適性に
秀でた血筋と言えそうです。

その意味で、にわかに注目を浴びているのがサザンヘイロー。
父ヘイロー、母ノーザンシーはノーザンダンサーの娘ですから
従兄弟クロス1X2という強烈さです。南米アルゼンチンで9度も
リーディングサイアーに堂々輝いた飛び抜けた実績の持ち主で
日本適性の面では、ストームキャット系以上かもしれません。
この大種牡馬、実はサンデーサイレンスが急死した翌年、その
後継期待から1年だけリース供用され日本の土を踏んでいます。
ところが、血が近すぎて、さすがにサンデー牝馬をつけられず
日本ではアルゼンチンほどに、輝くことはできませんでした。

しかし高い見識と深い炯眼と決断力誇る日本のホースマンは、
この大種牡馬を見捨てませんでした。時の流れの中で、血統が
成熟するのを待ち、マルペンサという競馬大国アルゼンチンが
誇る名牝を輸入します。
彼女は父オーペンからノーザンダンサー≒ヘイロー4X4、母父
サザンヘイローからヘイロー≒ノーザンダンサー3X4の見事な
従兄弟クロスを受け、同じくヘイロー≒ノーザンダンサー3×5の
ディープインパクトと配合、サトノダイヤモンドを産みます。
ダービーの晴れ舞台で、このサトダイを鮮やかに打ち負かした
マカヒキも祖母リアルナンバーがアルゼンチンの名牝で母父に
サザンヘイローの血を抱えています。名種牡馬の突然の蘇りは
15年ほど前の来日時とは違って“近からず・遠からず”の健康な
血統的距離が保てるまでに名血が成熟してきたからでしょう。

もう、カタログはご覧いただいたでしょうか?
今年の1歳馬も、ストームキャットの血を抱えた従兄弟クロスの
選りすぐりの優駿、また母プラヤデシエルタがマルペンサとは
祖母同士が父サザンヘイロー全姉妹でサトダイと8分の7同血の
サザンヘイローを活用した究極の従兄弟クロス馬もいます。
これらの1歳馬、すべてノーザンファームで育成されています。
サラブレッドの価値は血統や馬体に凝縮されますが、近年では
それら先天的価値に加えて、後天的な育成技術が大きな価値を
生んでいるのは、ご存じの通りです。ぜひ、ご注目ください。