昨年の凱旋門賞で直線鋭く追い込んでエネイブルに短首差まで
迫ったシーオブクラスが、重度の疝痛で引退を決断しました。
無事に繁殖に上がってくれるのを祈るばかりです。このバッド
ニュースに続いて、昨年のダービー馬マサーが長期休養明けを
一叩きし必勝の構えで臨んだG2プリンセスオブウェールズSで
まさかの!ドンジリに惨敗しました。ゴドルフィンを代表する
名伯楽チャーリー・アップルビー師もショックが隠せません。
凱旋門賞まで後3ヶ月足らず、戦線は風雲急を告げて来ました。

先の日曜には革命記念日で賑わうパリで、凱旋門賞と同コース
同距離のG1パリ大賞が行われました。3歳馬による夏の大一番
今世紀に入ってからもレイルリンクやバゴがこのレースを勝ち
凱旋門賞の頂きに上り詰めている由緒ある伝統の前哨戦です。
もともとヨーロッパの3歳チャンピオン頂上決定戦として各国
ダービー馬が集い覇を競う大一番として欧州最高の高額賞金と
人気を誇っていたレースで、凱旋門賞創設当時はこのレースを
超えることが最高位の戦略目標とされていた経緯があります。

近年はダービーの惜敗組や間に合わなかった遅れて来た大物の
“残念ダービー”といった色合いを深めているのですが、今年も
仏ダービーからロマンキャンドル、スラローム、英ダービーは
内伸びの馬場を大外から後方一気に3着に追い込んだジャパンが
参戦しました。日本とは何の関係もないのにジャパンの馬名を
命名されたガリレオの鹿毛馬は、ダービー惜敗後も元気一杯で
かつて直後にキングジョージを勝つナサニエルなどを輩出した
ロイヤルアスコットの出世レースG2キングエドワード7世Sに
挑戦し、末脚を炸裂させて4馬身半差の圧勝劇を演じています。

ここも人気の中心ですが、レースは想像外の展開で流れます。
クールモアの僚馬ウエスタンオーストラリアがハナを主張して
ジャパンは3番手の外めを追走、いつになく先行策で攻めます。
ウエスタンが緩みのないペースで後方待機勢になし崩しに脚を
使わせる作戦でしょうか?馬群は直線まで一かたまりとなって
進み、ゴール前の底力勝負に。ラスト1ハロンでウエスタンが
お役目を終えるとジャパンが先頭を奪い真一文字にゴールへ!

着差は半馬身でも、追い込み勢の追撃を許さない完勝でした。
クールモアのチームプレーの勝利ですが、先行してシッカリと
末脚を伸ばしたジャパンの強さも成長と本物の証しでしょう。
凱旋門賞のブックメーカーのオッズも13倍から10倍ヘと上昇し
打倒エネイブルの一角として、存在感を大きく増しています。

ジャパンを所有するクールモアグループは、ガリレオに始まり
ジョージワシントン、チャーチルへと受け継がれ、ジャパンの
全兄アイザックニュートンなど偉人の名を冠した馬名で知られ
ヨハネスブルグやオーストラリアなど、ご当地馬名シリーズが
有名ですが、オーストラリアは南十字星下でクールモアの血が
繁栄するようにとの願いを込めて命名されたそうです。いずれ
種牡馬ジャパンが、北海道に上陸する日が来るのでしょうか?