北半球に位置する各国は、それぞれのダービーが花盛りです。
日曜はフランス、土曜はイギリスで行われましたが、いずれも
人気馬が敗れ、伏兵馬が先頭でゴールする大番狂わせでした。
波乱モードのそもそもは、ケンタッキーダービーでしょうか?
直線で楽々と抜け出し完勝したはずのマキシムセキュリティが
進路妨害を取られて降着、1馬身半遅れでゴールした単勝人気が
66倍の超伏兵カントリーハウスが繰り上がり優勝しています。
日本から参戦したマスターフェンサーが直線で矢のように伸び
掲示板入りにアタマ差の6着に健闘したのにも驚かされました。

波乱モードは海を越えて日本にも伝わり一本人気に支持された
皐月賞馬サートゥルナーリアが直線で伸びあぐねるのを尻目に
同じ角居勝彦厩舎のロジャーバローズが内をスイスイ走り抜け
単勝91.5倍という超大穴を演出しました。外れ馬券の紙吹雪が
舞う中、走り終わってみれば従姉には府中2400mは鬼のように
強かったジェンティルドンナがいる名血統ですから、父が同じ
ディープインパクトであることも併せて、立派にダービー馬の
資格と高い資質を持っている馬だったのだと気づかされます。

さて、お話はイギリスに戻りますが、2歳時に無敵の4戦4勝と
快進撃を続け、ダービー戦線の本命候補トゥーダーンホットが
故障で順調さを欠き、前哨戦のダンテSでも伏兵の2着に敗れて
マイル路線へと方向転換したため、今年のエプソムダービーは
ダービー登録がなく追加登録料の8万5000ポンド≒1200万円を
払って出走に漕ぎ着けたサードラゴネットとテレキャスターが
1、2番人気を占めるという異常事態の中でスタートしました。
しかし道中は好位馬群に身を潜めて、内の経済コースを通った
アンソニーヴァンダイクというエイダン・オブライエン厩舎の
伏兵が、直線でインを衝いて抜け出し半馬身粘り切りました。
ちなみにオブライエン師は出走13頭中7頭を送り込みましたが
アンソニーは3番手の評価で、主戦騎手のライアン・ムーアや
セカンドジョッキーのドナカ・オブライエンではなく、地味な
助っ人のシーミー・ヘファーナンが鞍上でした。人気の重圧も
なく、気軽に乗れたのも幸いしたのでしょうが、忍者のように
馬群に潜み、絶妙のタイミングで抜け出す判断は見事でした。

前日の同コース同距離で行われたオークスも、インにこだわり
先行して抜け出したアナプルナがオブライエン厩舎の1番人気馬
ピンクドックウッドの追い込みを凌ぎ切って勝っていますが、
現在のエプソムは非常に状態が良く、イン攻めが生きる馬場に
なっていると、シーミーにインプットされていたのでしょう。
2着争いは4頭が横一線で叩き合うデッドヒートが繰り広げられ
ケヴィン・プレンダーガスト厩舎のマドムーンが最内を粘って
凌ぎましたが、大外を鋭く追い込んだジャパン、中ブルームと
その外サードラゴネットはオブライエン厩舎の馬たちでした。
マグニフィシェント・セブン(壮大なる7頭出し)は掲示板を
ほぼ独占の結果を出し、名伯楽オブライエン師もさすがです。

昨日のシャンティイは、5連勝で仏2000ギニーを制覇しており
ゴドルフィンが所有し、名門アンドレ・ファーブル厩舎所属の
背景もあって、一本被りの人気を背負ったペルシアンキングが
直線で抜け出したときは誰もが勝利を疑わなかったでしょう。
ところが後方で脚を溜めていたソットサスという馬が大外から
強襲!一瞬で交わし、2馬身突き放してゴールへ飛び込みます。
鞍上は短期免許でお馴染みのクリスチャン・デムーロでした。
大金星です。世界のどの国でも、鞍上の知恵とか一瞬の判断が
勝負を大きく左右します。外国人騎手勢が達者なわけですね。
敗れたペルシアンキングは父がマイルで無双したキングマンで
今回は「距離の壁」だったのでしょう。今後はマイル路線へと
回り同じ立場の旧王者トゥーダーンホットと激突しそうです。