33連勝と不滅の金字塔を残し牧場に帰っていったウィンクスや
前人未到の凱旋門賞3連覇という偉業に向かうエネイブルなど
世界は牝馬を中心に回っているような感覚も色濃い昨今です。
そんな中で、今年も薫風に乗ってオークスが巡って来ました。
世代最強の女王、「最強のオークス馬」の座を争う一番ですが
ときに歴史を塗り替えるような超名馬が誕生するレースです。

ここで言う「最強のオークス馬」とは、牝馬No.1にとどまらず
牡馬も含めた世代で飛び抜けたパフォーマンスを発揮、古馬を
向こうに回して薙ぎ倒し、年度代表馬に輝くような存在です。
昨年のアーモンドアイや、12年のジェンティルドンナは完全に
この条件に合致します。これに戦前のクリフジを加えた3頭が
歴代の「最強牝馬ベストスリー」と言っても良いでしょうか?
クリフジはご存じのように生涯11戦11勝の不敗記録の持ち主で
ダービーをレコード勝ち、オークスでは桜花賞馬ミスセフトを
10馬身ぶっちぎって楽勝、菊花賞では後に帝室御賞典に輝いた
ヒロサクラに何と大差をつける歴史的圧勝劇を演じています。

次点と言っては失礼ですが、96年のオークス馬エアグルーヴも
立派な戦績を残しています。天皇賞秋では同世代で連覇を狙う
バブルガムフェローを倒しました。ジャパンCは2年連続2着と
惜しい結果でした。1度目の惜敗はヨーロッパを中心に活躍して
凱旋門賞2着が2度あり、G1を6勝した当時の欧州最強馬である
ピルサドスキーにクビ差でした。2度目は翌年にヨーロッパへ
雄飛する強豪エルコンドルパサーには敗れましたが、同世代の
ダービー馬スペシャルウィークに堂々先着を果たしています。

彼女の場合、競走馬としても一流でしたが、繁殖牝馬としては
さらに凄みを増し日本を代表する名牝系の基礎を築きました。
来週のダービーには孫世代ランフォザローゼスが出走するなど
我が国のG1シーンに欠かせぬスターの揺り籠になっています。
このあたりは、牝馬のレースならではの楽しみでもあります。
今年は前出の「最強オークス馬列伝」に名を連ねて来るほどの
スケールを感じさせるには、今一歩といった気もするのですが
先々まで楽しみの続編が見られるようなドラマを期待します。