G1競走が距離や性別などカテゴリー別に整備され充実して来て
競馬の価値観の基準として、ファンの間にも定着しています。
グレード制導入以前までは「八大競走」というジャンルがあり
ダービー、皐月賞、菊花賞、桜花賞、オークスのクラシックと
春秋の天皇賞、有馬記念の8競走が特別に別格のレースとして
ホースマンの尊敬と憧景を集めていました。重賞の中の重賞!
これぞ日本競馬の最高峰と位置付けられ、86年にジャパンCが
創設されて以降、これも八大競走に準ずる格とされています。

現在まで「八大競走」すべてを制した「八冠馬」はいません。
そもそも牝馬限定レースが混在して「八冠」の資格があるのは
牝馬だけ。距離も1600mから3200mまで幅広く設定されます。
それでも戦前のクリフジは、有馬記念はまだ創設されておらず
「七冠」時代なのですが、ダービー、菊花賞、オークスを勝ち
グランドスラムにもっとも近づいた馬だったかもしれません。
彼女が11戦11勝で充実期を迎えた翌年から太平洋戦争の激化で
競馬自体が中止された不幸の時代の、悲運のヒロインでした。

しかし馬主、調教師、騎手には、グランドスラマーがいます。
馬主は一口クラブの超名門サンデーレーシング、個人馬主では
金子真人さん。調教師は尾形藤吉さんと武田文吾さんと東西の
大御所が達成!騎手は保田隆芳さんと武豊さんがその人です。
種牡馬で見ていくと、名馬シンザンを輩出したヒンドスタンに
始まりシンボリルドルフのパーソロン、ディープインパクトの
サンデーサイレンスが「八冠サイアー」の座に輝いています。
偶然か?すべて三冠馬の父であるというのが共通しています。

今週の天皇賞春では、グランドスラム達成が目撃できるかも!
ジョッキーの分野でクリストフ・ルメール騎手、種牡馬部門で
ディープインパクトがこの天皇賞春だけを残して、八冠達成に
王手をかけているからです。ルメール騎乗で、ディープ産駒の
フィエールマンが勝てば、両大輪が一挙に開花するわけです。
日本人ホースマンが、古くから愛してきた特別なレースである
天皇賞、かつ平成最後のG1、記録にも記憶にも残りそうです。