中国古典の諺に「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」
とあります。では死んだサラブレッドは何を後世に残すのか?
言うまでもなく、それは血を繋ぎ、宿りし資質を子孫達に伝え
興奮と感動の競馬ドラマを、紡ぎ出すことにあるのでしょう。
高松宮記念を勝ったミスターメロディは、気が早いようですが
この勝利で種牡馬入りは当確と言えるワールドクラスの良血。

父スキャットダディは、アメリカ、ヨーロッパ、シャトル先の
チリなどで産駒が次々とクラシックやG1を勝ちまくる大活躍!
名声の絶頂にあった3年前に3万5000ドルの種付け料が3倍近い
10万ドルに急騰した矢先に急死、世界中から惜しまれました。
しかし無敗のまま米三冠を制圧したジャスティファイのように
死後も残された遺児が、偉大な父の名声を高め続けています。
後継種牡馬ノーネイネヴァーは、初年度産駒からG1馬を輩出し
今年の種付け料は4倍増!の10万ユーロに跳ね上がっています。
名馬の中の名馬たちが群れをなすクールモアスタッドにあって
帝王ガリレオを除けば、No. 1サイアーの座に君臨しています。

スキャットダディは日本に繋養されているヨハネスブルグから
ヘネシーを経て大種牡馬のストームキャットに遡る父系ですが
仕上がり早く、頑健な仔が多いストームキャット系にあっても
とくに飛び抜けて高い早熟性で知られ、産駒の多くは2歳戦から
走り、優秀な産駒はジャスティファイのようにクラシックでも
通用する底力を発揮します。日本ではスキャットダディ後継は
ミスターメロディが初めてですが、ヘネシー系という括りでは
ヨハネスブルグが2歳時7戦7勝、愛仏英米4カ国で2歳G1勝ちの
ヨーロッパとアメリカ両大国でチャンピオンに輝いたスーパー
ホースとして名を馳せました。現在は日本で繋養され京阪杯を
2度制覇したネロが後継種牡馬としてスタッドインしています。

今年はジャスティファイやライバルの超良血メンデルゾーンも
クールモアのアメリカ拠点アッシュフォードスタッドで仲良く
種牡馬として供用開始されます。父スキャットダディの急逝は
惜しんでも惜しみ切れませんが、死してなお伝えられた名血は
世界の活躍馬の血統表に、その偉大な名を残し続けそうです。