先週のOP昇竜Sを勝ったデュープロセスは、JRAの父名欄には
「Daiwa Major」と英文字で記されています。母ローズローが
日本で種付けしてダイワメジャーの仔を宿したままイギリスに
渡り誕生した馬で、ルール上は持ち込み扱いとなるからです。
いわば「逆輸入ホース」。最近は生産界も国際化が急速に進み
海外有力種牡馬との交配を求めて海を渡る日本産牝馬も増えて
デュープロセスのようなケースも目立ちます。同じ土曜の阪神
未勝利では距離延びて良さが出たヒーリングマインドが快勝!
彼女の場合も父名欄は「Tanino Gimlet」と書かれています。
アイルランドからのタニノギムレット逆輸入産駒となります。

ヒーリングは、藤沢和雄厩舎にいたシンコウエルメスの孫娘で
彼女はデビュー戦で不幸にも骨折して引退、しかし藤沢先生の
心のこもった懸命の介護で繁殖牝馬として復活し、日本を始め
アメリカ、アイルランド、イギリスなどを渡り歩き、生まれた
娘達とディープインパクトの間に皐月賞馬ディーマジェスティ
ゴドルフィンのエース種牡馬ドバウィとは仏G1のサンタラリ賞
ソウベツ、モハメド殿下に悲願のBCクラシックの勲章を捧げた
レイヴンズパスとは既に重賞2勝の現役馬タワーオブロンドンと
クラシック級の活躍馬を世界に知られるスーパーサイアーとの
配合で毎年のように輩出。天晴れ見事な一族に成長しました。

デュープロセス、ヒーリングマインドはともにゴドルフィンの
所有馬。世界を制圧する勢いで暴れ回るロイヤルブルー軍団は
近年は「剪定(せんてい)戦略」と名付けた繁殖牝馬見直しに
積極的に取り組んでいます。「剪定」とは園芸世界で使われる
余分な枝を切り、栄養分を効率的に配分することで生長を促し
見た目も美しくする基本的な技術です。ゴドルフィンの場合は
未来に残すべき血と、残酷でも淘汰すべき血を厳密に分析して
繁殖牝馬のラインナップと最良の配合相手の選定を進めます。

これまでは牝馬はほぼ一か所に定住して仔を成してきましたが
これからは世界中を移動しながら、選び抜かれた優良牝馬群と
最良種牡馬によるベスト・トゥ・ベストの法則を目指します。
選ばれた一族であるシンコウエルメスとそのファミリーたちは
その先駆けであり、こうした新潮流は世界中で進みそうです。
逆輸入馬というカテゴリーが当たり前になる時代でしょうか?