今週土曜、オーストラリアのランドウィック競馬場で行われる
G2アポロS 1400mに、足掛け4年にも渡って先着を許した馬が
皆無と無人の野を独走する29連勝中ウィンクスが登場します。
彼女は過去にこのレースを2度勝っており、その経験値も含め
外野席から見ても負ける要素はほとんどないように思えます。

が、クリス・ウォーラー調教師はわずか8頭立てのG2レースに
慎重の上にも慎重を期してウィンクス含め6頭が自厩舎所属馬と
鉄壁の「ウィンクス防御網」を敷きました。実質上3頭立てなら
事故でもない限り負けようがない!様々な修羅場を踏んで来た
名伯楽が、まるで若駒のようにナーバス(神経質)になるのは
大レースほど決定的な着差で圧勝してきた女王ですが、なぜか
休み明け緒戦とはいえ相手が軽いはずのG2は2度もアタマ差と
冷や汗をタップリかかされた大苦戦の思い出があるからです。
調教師というのは考えてみれば大変な仕事だと思わされます。

このアポロSを無事にクリアできれば、女王とウォーラー師は
次のステップに向かいます。既にいずれも3連覇を果たしている
3月上旬チッピングノートンSと同下旬のジョージライダーS を
経て、4月中旬には絶対女王のファイナルラウンドとなる大一番
G1クイーンエリザベスSへのカウントダウンがはじまります。

この世紀の大一番にはゴーフォザサミット、タイムフライヤー
ステイフーリッシュ、タニノフランケルなど7頭の日本調教馬が
予備登録を済ませています。藤沢和雄、松田国英、角居勝彦と
我が国を代表する名調教師が果敢に挑む姿が嬉しく感じます。
日本馬でウィンクスと対戦の経験があるのはオーストラリアに
移籍したアンビシャスが昨年のクイーンエリザベスSで12馬身
近く離された8着に敗れています。日本時代は音無秀孝厩舎で
G2大阪杯を勝ち、G1は勝てないまでも掲示板内の常連だった
実力馬です。移籍後も前走のG1タンクレッドSで2着するなど
調子を上げていました。素直に力負けを認めるしかないです。

不世出の絶対女王ウィンクスと一緒のレースを走るのは、もう
限られたチャンスしか残されていません。調教師さんは無論、
馬主さん、ジョッキーの方々、ホースマンと生まれたからには
叶うものなら果たしたい夢です。ファンも同じ思いでしょう。
アポロSからクイーンエリザベスSまで57日間。世界中が息を
詰めるようにして忘れられないカウントダウンが始まります。