あけましておめでとうございます。
今年も一年、皆様には感動と心安らぐ競馬をお楽しみいただき
レッド軍団の精鋭たちに応援のお付き合いを賜れば幸いです。
どうぞ本年も、お引き立てのほどをよろしくお願い致します。

ご存じのようにサッカーなどで1試合に3ゴール以上を決めると
ハットトリックの尊称で喝采を浴びます。競馬に置き換えれば
希少性の観点からも重賞3勝以上くらいの価値がありそうです。
ハットトリックと、そのものズバリの馬をご記憶でしょうか?
14年前の平成十七年のG3京都金杯出馬表にその名があります。

その馬は、新馬戦も終わった3歳5月やっとデビューに漕ぎ着け
未勝利、特別と2連勝で素質の片鱗を見せた遅れて来た大物!
夏休みの間に、美浦から栗東の角居勝彦厩舎へ移籍して素質に
磨きをかけ、秋は武豊騎手とのコンビで快進撃をOP入りして
重賞未勝利の上がり馬にも関わらず1.6倍に圧倒的な1番人気に
支持され、直線一気のキレ味で正月早々金星を挙げています。

昨暮大ラス!サートゥルナーリのホープフルSで通算88勝目の
重賞を制覇したキャロットファームですが、ハットトリックの
京都金杯が、実は名門一口クラブの記念すべき初勝利でした。
当時のキャロットは前年の馬主リーディング22位がそれまでの
最高でベストテンの経験もない新興勢力でしたが、亡くなった
大種牡馬サンデーサイレンスの“晩年の傑作”ということもあり
8000万円という高額で募集され、遅れて来たハットトリックの
一撃がその後の快進撃に火をつけたと言えるかもしれません。

次走のG3東京新聞杯で重賞連勝したハットトリックは、秋には
G1マイルチャンピオンシップでダイワメジャーを破って快勝し
遂に馬名そのままに“ハットトリック”の金字塔を打ち立てます。
この年は香港マイルも制して重賞4勝の固め打ち!世界に名を
轟かせる名マイラーの座に君臨するまで一気に登り詰めます。
しかし21戦8勝ながら勝つときは胸をスカッとさせるキレ味を
爆発させるが、負けるときは掲示板にも乗らぬ極端なタイプで
二桁着順に大敗することも多い“潔い天才肌”風の名馬でした。

ご承知のように引退後はアメリカに渡り、その初年度産駒から
フランスでモルニ賞、ジャンリュックラガルデール賞と二つの
G1を勝ったダビルシムを出して仏2歳リーディングサイアーに
輝き、アメリカはもちろん、シャトル先の南米アルゼンチンや
ブラジルでもG1馬を輩出して、父サンデーサイレンスの盛名を
世界に広げています。ダビルシムも種牡馬として大成功を収め
後継馬ともども“ハットトリック”級の大活躍を続けています。
偉大なサンデーサイレンスの血が、世界各地で繋がれることに
お屠蘇で祝盃を上げたくなる気分が湧く今年の金杯デーです。