昨日欧米の競走馬市場が縮小傾向にあるのでは?というお話を
しましたが、先日の香港国際競走で史上初のグランドスラムを
成し遂げた香港など元気の良い国々も、もちろん存在します。
南半球の生産大国でもあるオーストラリアも、その一つです。
オーストラリアの競馬は地域毎に分離独立して施行されており
主催団体もそれぞれ別になっています。元気の良さの原動力は
その強烈な対抗心や競争心にあるのではないかと思われます。

メルボルン地区を統括するレーシング・ヴィクトリア(RV)と
シドニーのレーシング・ニューサウスウェールズ(RNSW)が
二大勢力ですが、RVは国民的な人気を誇るメルボルンCなどで
春(9月〜11月)の競馬開催で優位に立っています。ところが
昨年RNSWがその時期に芝の世界最高賞金ジエベレスト創設で
真っ向からメルボルンC人気に挑戦する番組を編成しました。

逆に秋(3月〜5月)はクイーンエリザベスSを擁するRNSWが
他の番組も充実しており多くのファンを集めています。ここへ
飛び出したのが、マイル世界最高賞金500万豪ドルを準備して
ファン投票方式を採用したジオールスターマイルという企画!
無論RVのイニシアチブ で実施され、RNSW側の独壇場だった
秋シーズンに斬り込む戦略です。現在29連勝中と大ヒロインの
ウィンクスも参戦を検討しているそうですから仮に実現すれば
世界から熱い視線を集め、大ブレイクは間違いなしでしょう。

日本でも古くは東西の対抗意識がファンの関心を高めました。
さらに遡れば東京競馬場のダービーに負けない人気番組を!と
中山競馬場が大障害や有馬記念を発想した歴史も残されます。
戦後すぐの時期には、身近な地方競馬に爆発的な人気が集まり
中央競馬も必死でアイデアを振り絞ったと伝えられています。
健全な競争が産業発展の活力を生み出すのは娯楽も同じです。

しかし地方競馬が衰退して、JRAの求心力が増大するに連れて
良い意味での競争心が失われてきたのでしょうか?極論すれば
JRAをJRやNTTのように東と西に分社化して健全な競争原理を
働かせるのも一方法でしょうが、性急にそこまで行かなくても
既存の競馬ファンを楽しませ新しい競馬ファンを増やしていく
競馬百年の大計に競争原理の導入を考えてみたいと思います。