「欧米競走馬市場は縮小傾向にある」と海外競馬評論で有名な
合田直弘さんが警鐘を鳴らしています。ここ最近に開催された
タタソールズやケンタッキーなどのセリ市がいずれも昨年比で
ダウン傾向にあるトレンドを捉えたもので世の中全般の景気が
来年以降縮小期に入るのではないかという予測への警戒感から
購買者の財布の紐も締まりがちに、と合田さんは分析します。

確かにイギリスはEU離脱問題が暗礁に乗り上げ、アメリカでは
トランプ政権の先行き不透明感もあって、経済縮小トレンドに
対して注意深く慎重になる気持ちも分かるような気がします。
競馬界は来年からの種付け料が発表される時期になりましたが
北米では、種牡馬王タピットが30万ドルから22万5000ドルへ
初年度産駒デビューが目前の期待のアメリカンファラオまでが
20万ドルから11万ドルへと目を疑う値下げに踏み切りました。
いずれもマーケットでの評価は依然として高く、今この時期に
敢えてプライスダウンする積極的な理由も思い当たりません。
やはり、市場縮小へのカウンター戦略ということでしょうか?

昨年かつてリーディングサイアーに輝いたこともある大種牡馬
キトゥンズジョイの種付け料10万ドルが6万ドルへの値下げも
驚かされましたが、これは彼の権利の一部が移動して繋養先が
変わったことに伴い、それまではオーナーズブリーダーである
ラムゼイ一族の、準プライベート種牡馬的な色合いも濃かった
傾向を脱して、配合相手の多様化を実現するための戦略という
側面もあったようです。値下げとは無縁になりますが、今年の
ヨーロッパ年度代表馬をロアリングライオンが戴冠し春先には
ホークビルがドバイシーマクラシックを勝つなど産駒の活躍で
来年度の種付け料は7万5000ドルへと値上げされるようです。
先々、この芦毛の大種牡馬から目が離せそうにもありません。

キトゥンズジョイとタピットやアメリカンファラオの事例では
背景が異なります。日本の競走馬市場は絶頂を極めていますが
他山の石という故事もあります。対岸の火事と見過ごさないで
海外の諸事例に学び、戦略を練っていく必要もありそうです。