競馬発祥の地イギリスを中心とした海外の番組編成の基本は、
4日とか5日間を一塊りとする開催毎に、地域や競馬場の個性を
生かすための趣向が凝らされ、そこに暮らす老若男女こぞって
楽しめるカーニバル(祝祭)として発展した歴史があります。

ロイヤルアスコット開催も、そんなカーニバルのひとつです。
アスコット競馬場の創始者アン女王を偲んで毎年第1レースは、
マイルのクイーンアンSで幕を開け、直線1000mの韋駄天競走
キングズスタンドSがあり4000mのゴールドCも行われます。
年齢や性別、また距離などカテゴリー毎にチャンピオンを争う
カーニバル特有のお祭り気分の中で盛大に繰り広げられます。
これをギュッと凝縮させると1日に複数のG1レースを挙行する
ドバイなど世界中で行われているG1カーニバルに進化します。

カレンダーをめくれば師走、いよいよ中山開催が始まります。
2000年にスプリンターズSが現行の秋開催に移設されるまでの
暮れの中山競馬はカーニバル的風情に満ちた番組編成でした。
短距離のスプリンターズSと長距離のステイヤーズSが並び立ち
2歳チャンピオンを争う朝日杯3歳S、牝馬限定のフェアリーS、
中山大障害が人気を呼び、国民的風物詩・有馬記念が大トリを
華やかに締めくくりました。歳末にふさわしく1年の総決算的な
カテゴリー毎の王者を競う構造がファンを魅了したものです。

そんな光景も今は昔、師走名物スプリンターズSは季節が変わり
エルプスやメジロラモーヌを輩出のフェアリーSは正月開催に、
朝日杯は阪神へと移設されました。オールドファンならずとも
あの頃が懐かしい気分です。これだけテクノロジー進化が進み
情報手段が発展すれば、開催地にこだわらず重賞を分散させて
多様なファン層にアピールする方が興行的成功の近道だろう!
これも一つの見識だろうと思います。しかし競馬の原点である
ウキウキするようなカーニバル気分も失いたくない伝統です。