「良いものを見た!」という思いに誰もが打たれたでしょう。
それにしても驚きました。逃亡者キセキがハナを主張するのは
想定通りとしても、切れ味自慢のアーモンドアイがその直後に
付けるとは、まったく想像できませんでした。インが良いのは
分かっていても、なかなか決断できることではないでしょう。
クリストフ・ルメールの度胸を据えた判断、アーモンドアイの
鞍上のサインに間髪入れず柔軟に応じる賢さに二度ビックリ!
ここまで完璧に仕上げた陣営の努力にも頭が下がる思いです。

クリストフの名騎乗と言えば13年前のジャパンCで2分22秒1と
昨日までは大レコードだった記録を叩き出したアルカセットを
追い詰めて同タイムでハナ差の名勝負を演じたハーツクライが
強烈な印象に残っています。クリストフは、次走の有馬記念で
追い込んで届かず惜敗の連続で、G1未勝利に終わっていた彼を
一転先行させディープインパクトを完封したあのレースです。
一昔以上前の光景を鮮やかに蘇らせる名勝負を再現して見せた
クリストフとアーモンドアイには驚きと感謝でいっぱいです。

ゴールの瞬間、ファンの脳裏では遥かパリロンシャン競馬場の
ゴールと二重写しになったでしょうね。そこで待っているのは
前代未聞の凱旋門賞3連覇に立ち向かう稀代の女傑エネイブル!
「2400mを先行できる鋭いスピードがあり終いも切れる」と
大デットーリが絶賛する天賦の才に恵まれたステイヤーです。
結果論になりますが、レコードの影の立役者となったキセキと
川田将雅騎手は「仮想エネイブル=デットーリ」コンビという
大役を果たしたことになります。この経験がパリロンシャンの
晴れ舞台で必ず生きることになると思います。このスピードと
スタミナ兼備の名ステイヤー・キセキも海の向こうの大一番に
ぜひ挑戦してほしい一頭!それほど際立った戦いぶりでした。

こうした日本標準を超えるレベルでの戦いを続けていくことが
世界に近づき、その扉を開くことに繋がっていくのでしょう。
大トリ有馬記念も残っていますが、来年が楽しみでならない!
そんな喜びを存分に味あわせてくれた今年のジャパンCでした。