昨日のG1エリザベス女王杯2200mを完勝したリスグラシューは
これまでマイルカテゴリーに良績集中する傾向がありました。
スタートは良くない馬ですが、終いは32秒台の強烈な決め手を
武器とする瞬発力型マイラーとして、名を轟かせてきました。
東京新聞杯での男勝りの衝撃的な末脚は今も忘れられません。
母父アメリカンポストは名門ジュドモントファーム産の良血で
2〜3歳時に仏2000ギニー、レーシングポストトロフィーなど
マイル路線で6連勝!仕上がり早いスピードを伝えています。
反面、距離を延ばした昨年のこのレースでは8着と見せ場なく
敗れています。脚を溜められないと案外なモロさも見せます。

彼女には、今週のG1マイルチャンピオンシップという選択肢も
あったはずですが矢作芳人師は距離適性に疑問を抱えるものの
牝馬限定のエリザベス女王杯にそのホコ先を向けてきました。
このレースでの彼女と雷神ジョアン・モレイラ騎手に課された
宿題は、2200mの距離でなし崩しに脚を使わされないで末脚を
温存して溜められるか?そのことにあったような気がします。
いわば2200mを1600mの競馬にするマジックが必要でした。

その意味でレッドジェノヴァの小島茂之先生が指摘するように
スタートと最初の1コーナーでの位置どりに今回の勝負のアヤが
潜んでいたように思います。リスグラシューとモレイラ騎手は
ほぼ完璧に課題をクリアし構想通りのレースに持ち込みます。
乗るジョッキーも大したものですが、走る馬も賢かったです。
言い古された表現ですが、人馬一体とはこのことでしょうか!
しかし彼女は430キロ台だった馬体が460キロと逞しく成長し
父ハーツクライの良さが生きてきたことも見逃せませません。
明けて5歳、来季はどんな飛躍を見せてくれるか楽しみです。

ジェノヴァは必ずしも彼女向きでなかった流れにもかかわらず
4着と底力のあるところを見せましたが、機敏さや一瞬のキレに
欠ける分、良い脚を長く使える持ち味を生かすには、もう少し
距離があった方が、この馬らしさが全開しそうな気がします。
父シンボリクリスエスは怪物エピファネイアを筆頭に、重賞は
35勝を上げていますが、そのすべてが牡馬によるものでした。
牝馬による重賞初制覇を、ジェノヴァが実現してくれるはず!
こちらも明ければ5歳、ステイヤーとしての完成が待たれます。