凱旋門賞連覇のヒロイン・エネイブルが緊急参戦するとあって
急速な盛り上がりを見せるブリーダーズカップ(BC)ターフ!
これまで8頭の凱旋門賞馬が同一年BCターフに挑戦しましたが
実は、勝利の美酒を味わった馬はいません。理由は様々ですが
やはり1年間の最大で最終の目標である大一番を戦い抜いた後で
ピークを過ぎれば、いかに鍛え上げられた名馬でも、もう一度
2400mを勝ち切るのは、困難を極めるということでしょうか?

史上最初に挑戦したのは歴代最強と評されるメンバーが揃った
凱旋門賞を後方一気に差し切ったダンシングブレーヴでした。
しかし激戦を戦い抜いた彼に余力は残ってなかったようです。
地元アメリカでここ一本に備えた好調マニラから6馬身余りも
離された4着に敗れます。ダンシングブレーヴほどの名馬でも
体力と気力が充実し集中力が凝縮しないと戦えないようです。

ダンシングブレーヴは、イギリス・アイルランドを拠点として
さらにアメリカにも展開する名門ジュドモントファームを率い
名馬フランケルのオーナーとして知られ、凱旋門賞は実に6勝を
重ねている超大物馬主カリド・アブデゥーラ殿下の所有です。
エネイブルとは同門の先輩後輩の間柄。これだけ栄光と挫折が
入り混じった歴史を歩んできた殿下とそのスタッフ達ですから
32年前の苦い経験を忘れるはずもありません。ご存じのように
エネイブルは今季まだ2度しか戦っておらずフレッシュな状態を
保ったまま、大先輩の忘れ物を取り戻しに大西洋を渡ります。

ダンシングブレーヴはジャックルマロワ賞勝ちの父リファール
譲りの瞬発力を武器とし、心身とも万全に仕上げられたときに
驚くべき集中力で切れ味を全開させるタイプだったようです。
リファールは、ディープインパクトの母父父にその名が見られ
ジェンティルドンナはリファール4X4、スピルバーグは加えて
リファールの母グーフェド5X5.5のクロスを持ち、目を見張る
切れ味のバックボーンを形づくっています。この血はマイルを
得意とするレッドアリオンやアヴァンセ、オルガ、ヴェイロン
一族に、母父として伝えられているのは、ご承知の通りです。

こうした血統背景からダンシングブレーヴは、デビュー時から
2000ギニーを目標に定め、圧倒的なパフォーマンスで完勝!
しかしその反動か?ダービーは不利も重なって2着に敗れます。
捲土重来を期し仕上げられた2度目のピークが凱旋門賞でした。
劇的な豪脚は141ポンドと史上最高レーティングを獲得します。
(後に139へ下方修正、後輩フランケルに王座を譲りますが)
32年前の大きな忘れ物を取り戻しに行くヒロインにご注目を!