秋冬を彩る大一番ブリーダーズカップ(BC)と香港国際競走の
予備登録馬が発表されました。BCは史上最高の221頭が登録し
凱旋門賞連覇のエネイブルなど、豪華な顔ぶれが揃いました。
しかし日本関連馬はハーツクライのヨシダ、来春から社台SSで
種牡馬生活に入るマインドユアビスケッツが、BCクラシックに
名を連ねているくらい。日本調教馬はゼロと淋しい限りです。
香港は日本調教馬が42頭と登録ラッシュに沸き返っています。
近いから行く遠いから行かないという問題ではないでしょうが
BCのレース価値というものを考えてみる必要がありそうです。

これらのレースはBCだと2日間にG1を一挙に14レース、香港は
1日で4つのG1を集中的に行い、カテゴリー毎のチャンピオンを
争う「競馬の祭典」といった趣きです。ドバイミーティングや
凱旋門賞ウィークエンドが有名ですが競馬先進国のほとんどが
この方式を採用しており、とくに競馬の本家イギリスは熱心で
春のロイヤルアスコット開催、秋のチャンピオンズデーなどが
ファンに欠かせない風物誌になっています。競馬が盛んな国で
そうした「祭典」が存在しないのは、日本くらいでしょうか?

ご存じのようにJRAは24あるG1レースを分散して実施します。
例えが適当か分からないのですが海外における「祭典方式」は
年一度、豪華絢爛な雰囲気の中で一夜限りの贅の限りを尽くす
カジノ的なイメージでしょうか?これに対して「分散方式」は
毎週毎週、ときにはG1でメリハリをつけながら細く長く楽しむ
日本固有のエンタテインメントであるパチンコに近いのかも?

どちらが良いという問題ではないですが、長い歴史に培われた
文化や伝統や宗教も含めた国民性の違いということでしょう。
しかしG1日程の分散化は、レース価値の画一化に陥るリスクも
生みます。例えば有馬記念とジャパンCと天皇賞秋の勝ち馬の
どれが真のチャンピオンなのか?分かりにくいのが現状です。
カテゴリーをきっちり整理し、レース格付けをより明確化して
その価値を、さらに高める努力が必要不可欠になってきます。

「祭典方式」はその意味で賢い解決策の一つではあるのですが
JRAにはJRA固有の事情もあります。競馬経営に関わる一切を
ファンが購入する馬券売上に頼っている背景があるからです。
売上向上には「分散方式」の戦略的運用が威力を発揮します。
「あちらを立てれば・こちらが立たず」悩みは深いようですが
本音を言えば、日本でも「競馬の祭典」を見たいものですね。